理事長就任のご挨拶・そらまめ通信リニューアル

理事長就任のご挨拶

雁瀬 美佐

NPO法人 腎臓サポート協会
理事長  雁瀬 美佐

 腎臓サポート協会は、腎不全を病む患者さんたちのQOL(生活の質)を高めるための腎臓疾患療法に関する情報提供とその普及活動をおこなう団体として2001年に設立されました。発足以来、長きに亘り牽引された松村満美子前理事長が昨年夏に急逝され、多くの関係者と共に悲しみに暮れました。
 この度、この社会的意義の高い活動とその拠点であった当協会、そしてその強い遺志を引き継ぐべく、理事長を拝命いたしました。大変な重責ではありますが、松村さんとの約束を果たすと同時に、この活動を継続し、さらに発展させることが自分に課せられた新たな使命と感じています。
 約30年前、乳がんと診断された多くの患者さんが、温存療法など他の治療の情報を得ることなく全摘手術を受け、情報の少なさや知識の不十分さの中でおこなった治療を後悔されていました。その時から、患者さんが自分のからだや病気、治療の選択肢についてよく知り、自分の価値観にあった治療を選んで、自分らしく賢く生きるための情報発信が大切であることを信じて活動してきました。臓器移植の啓発に長年携わる中で、献腎移植の少なさなど多くの課題にも直面してきました。
 あらためて、慢性腎臓病患者さんに対する重症化予防と適正な治療法選択への情報発信をおこなうこの活動に真摯に取り組み、「腎臓を守って健やかに生きよう」「透析などの腎代替療法が必要になっても自分の生活や価値観に合う選択をし、希望を持って明るく暮らそう」とメッセージを送り続けられるよう、みなさまと共に歩んでまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

そらまめ通信リニューアル

 そらまめ通信はリニューアルして年4回の季刊誌になりました。表紙は、「一病息災」にも登場したイラストレーター、エム ナマエ氏の作品です。糖尿病に気付かず、38歳で失明、人工透析を導入しながらも「世界は夢の力で動いている」とイラストを描き続けました。彼の作品と「僕は思います。人生何があっても大丈夫」で始まるブログからは、自分を愛すること、自分を信じることの大切さが伝わってきます。今は亡きエム ナマエ氏の代表的な画集『夢の力』より、温かさあふれる作品をお届けします。
 また、コロナ禍で実施できなかった患者さんへのインタビューがオンライン取材で復活し、新たにそらまめ運動やそらまめナースの部屋などの企画が始まりました。今後も、みなさまの治療や生活に役立つ情報をお伝えしてまいります。

※「2021年4月号そらまめ通信」より

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