毎日の生活で腎臓に負担をかけなければ、 CKDの進行を抑え、天寿を全うすることも可能!

2018年4月

 去る3 月11 日、東京都庁のホールで「腎臓病を考える都民の集い」が開催され、東京医科大学教授の菅野義彦先生が講演をなさいました。サポート協会の冊子「あなたの腎臓を守るために」をテキストに、冗談を交えながら、大変に濃い内容でしたが、そのなかから「腎不全を進行させないよう腎臓の負担をへらす方法」についてのお話を紹介しましょう。

 慢性腎臓病(CKD)の特効薬はありませんが、これ以上悪くするのを抑えることはできるようになってきました。ポイントは、生活のなかで腎臓に負担がかかることをしないことが、腎臓をまもり、病気の進行を遅らせる唯一の方法だそうです。では、腎臓の負担とはなんでしょう。

腎臓に負担をかける病気

 働き過ぎや夜更かしなど過労は避けましょう。また高齢者に多いのが脱水。風邪で食欲がなくなり、食事と一緒に水分をとらなかったり、部屋の温度だけをあげて加湿をしないとカラカラに乾いて脱水状態になって、腎臓に負担をかけてしまいます。腎臓は働き者で、じょうずに使えば長持ちしますから、こまめに水分補給を心がけましょう。

毎日の生活で腎臓に負担をかけること

 働き過ぎや夜更かしなど過労は避けましょう。また高齢者に多いのが脱水。風邪で食欲がなくなり、食事と一緒に水分をとらなかったり、部屋の温度だけをあげて加湿をしないとカラカラに乾いて脱水状態になって、腎臓に負担をかけてしまいます。腎臓は働き者で、じょうずに使えば長持ちしますから、こまめに水分補給を心がけましょう。

暴飲暴食・少食は避けましょう

 腎臓の仕事は身体の外に老廃物をだすことですから、暴飲暴食をすると腎臓に負担がかかります。注意したいのはタンパク質ですが、ほかに患者さんの状態によって注意事項が変わってきますから、管理栄養士を味方につけて、ぜひ、いろいろと相談してみましょう。また制限しなくてはと徹底的にやる人もいますが、塩分やタンパク質を制限しすぎて、食べる量が減ると、骨粗鬆症や筋肉が弱るサルコペニアなどになってしまうので、要注意です。

薬は本来は腎臓にとっていらないもの

 いらないものを身体の外にだすとき、腎臓にはすごく負担がかかります。抗生物質は知られるようになりましたが、怖いのは鎮痛剤。膝が痛い、肩が痛い、腰が痛いと整形外科にいくと鎮痛剤をだしてくれますが、朝晩と鎮痛剤を飲み続けていると腎臓は結構やられてしまいます。塗り薬や湿布は比較的影響が少ないので、飲み薬はできるだけ避けるとか、腎臓に負担をかけない鎮痛剤もありますから、薬をもらうときは腎臓が悪いことを医師に伝えましょう。
 そして、とても危険なのがCT 検査の造影剤の注射です。濃い薬なので身体の外にだすのに時間がかかり腎臓に負担をかけます。水をたくさん飲めば大丈夫ですが、そのように注意をしてくれない病院もありますから、腎臓が悪いことを伝えましょう。最近では、CT 検査の前に腎臓が大丈夫か血液検査をする病院も増えています。またどうしても必用な検査なのかどうか、MRI など造影剤を使わない検査でできないかもチェックしてもらいましょう。

 自覚症状がないCKD。痛くもかゆくもないのに治療を続けるのは大変なことです。しかも腎臓病は10年、20年、30年とつきあっていかなければなりません。ずっと続けるには、「自覚症状はなくても自分は腎臓病なのだ」という意識を持つことが大切でしょう。そして早く治療を始めてその状態を維持すれば、透析になることもなく、普通に生活をし続け、天寿を全うすることも可能なのです。

※「2018年4月号そらまめ通信」より

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