腎臓への影響
糖尿病の症状
糖尿病の自覚症状には、全身がだるい、喉が渇く、尿量が増える、食欲が旺盛になる、食事はとれているのに体重が減る、などがあります。初期には症状がほとんどないこともあります。せっかく検診などで発見されても、治療せずに放置した場合には、徐々に進行し、発病から5~10年たつと合併症が出現してきます。
糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害は、糖尿病の三大合併症といわれています。
また、糖尿病では動脈硬化が早く進行して、心筋梗塞や脳卒中も起こしやすくなります。
腎臓と糖尿病
腎臓は小さな血管の集まりです。腎臓のろ過装置である糸球体は、たくさんの毛細血管が寄り集まってできたものであり、高血糖がつづくと、糸球体の血管は硬くなり、組織が粗くなって、ろ過機能も次第に低下していきます。この状態を糖尿病性腎症といいます。糖尿病による腎臓障害は、糖尿病の増加とともに近年、急激に増え始め、現在は糖尿病の患者さんの死亡原因の約15%を占めるまでになっています。治療の開始時期が遅れると腎症は進行性になることが多く、腎症の早期診断は非常に重要です。