腎臓のはたらき
「肝腎要(かなめ)」の言葉の通り、腎臓は重要な臓器です。
腎臓は左右1個ずつあり、こぶし大の大きさで、重さは1個150グラムほど, そら豆のようなかたちをしています。おへその後ろ、お腹の背中側の壁(後腹膜)の下, 背骨(腰椎)の両脇に位置します。表面は硬い皮膜と厚い脂肪で覆われ、大切に守られています。腎臓が老廃物や水分などを排泄し、尿をつくるための臓器であることはよく知られていますが、これ以外にも生命と健康を維持するために、重要な働きをしています。
腎臓の主な働きは、3つあります。
1. 血液の浄化/老廃物や毒素の排泄
全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。老廃物や毒素は尿中に排泄され、体の外へ送り出されます。腎臓が一日にろ過する血液の量は150リットルといわれており、大型のドラム缶1本分に相当します。この機能が低下すると、体中に老廃物や毒素がたまることになります。
2. 体内の水分量や電解質の調整
体の水分や
電解質(
ナトリウム、
カリウム、
リン、カルシウム、マグネシウムなど)は不可欠なものですが、多すぎても少なすぎても悪影響がでます。腎臓はそれらの量を調節することで、体内環境のバランスを保っています。
3. ホルモンの分泌と調節
赤血球をつくるホルモンである
エリスロポエチンや
血圧を上げるホルモン(アンギオテンシン)を調節する酵素
レニン、局所ホルモンである
プロスタグランジンなどを分泌するほか、ビタミンDを活性化(体内で働くようにする)させて、骨を作るカルシウムの吸収を助けています。
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