腎臓病の特徴
患者数が多い
2008年の日本腎臓学会による統計では、日本の成人の8人に1人にあたる、1,330万人の方がCKD患者さんと推測され、治療を要するレベルの患者さんも600万人あまりいるとされています。あまり知られていませんが、残念ながら腎臓病はとても身近な病気なのです。
“国民病”とでもいうべき患者数の多さに、厚生労働省をはじめとして公的な機関も積極的に対策に乗りだしています。
自覚症状が少ない
心筋梗塞や脳梗塞との関係が深い
近年、腎臓病は心筋梗塞や脳梗塞などとの関係も深い、大変危険な病気であることがわかってきました。CKDの患者さんは、健康な人に比べて約2倍の確率で心筋梗塞にかかるリスクがある、という研究もあります。
進行すると腎不全へ
「腎不全」とは、腎臓の働きが低下した状態をいいます。「腎不全」には、急性腎不全と慢性腎不全の2種類があります。急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全の原因には、急速進行性腎炎といわれる腎臓の病気や、ショック、腎臓の血管がつまってしまう場合、腎臓で作られた尿がなんらかの原因で体外へ排泄されない、などが考えられます。これらが原因で、急に腎臓の機能が低下する急性腎不全は適切な治療を行えば機能が回復する可能性があります。一方、糖尿病や高血圧が原因であったり、なんらかの慢性の腎臓病が原因で腎臓の機能が徐々に低下する慢性腎不全の場合、「腎不全」の進行に伴って腎臓の機能は徐々に失われます。慢性腎不全では、失われた腎機能が回復することはほとんどありません。
尿毒症、透析、移植
さらに「腎不全」が進行すると、たまった老廃物・毒素などが「尿毒症」といわれる中毒症状を起こします。尿毒症は、皮膚や神経、循環器、消化器などにさまざまな悪影響を及ぼし、命にもかかわる危険な症状です。たまった老廃物・毒素や水分を体から除くためには、腎臓の役割を人工的に代替する腹膜透析(PD)や血液透析(HD)といった透析療法、あるいは腎臓移植が必要となります。