用語集一覧
アルファベット(略語)
APD
APDはAutomated Peritoneal Dialysis(自動腹膜透析)の略称で、腹膜透析(PD)の一種です。就寝中に器械を使って自動的に透析液を交換する方法です。BMI
Body Mass Indexの略称。身体質量指数。身体測定法の一つで、(体重:kg)/(身長:m)×(身長:m)で求められます。メタボリックリシンドロームが啓発されるにつれて有名になった肥満度の判定方法の一つでもあり、BMI指数の標準値は22.0です。CAPD
CAPDは、Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis(連続携行式腹膜透析)の略称で、腹膜透析(PD)の一種です。CAPDは体内の腹膜を利用して24時間連続した透析を行います。自宅や職場、学校などで行えます。CCPD
CCPDは、Continuous Cycler Peritoneal Dialysisの略称で、腹膜透析(PD)の一種です。腹膜透析(PD)液の交換を一定時間毎に行なう装置(サイクラー)を使います。CKD
CKDはChronic Kidney Diseaseの略称で、慢性腎臓病を指します。CKDとは、尿たんぱくなど、腎障害を示す所見か、腎機能が60%以下の状態が慢性的に(3か月以上)続く状態で、放置したままにしておくと、末期腎不全となって、透析療法や腎臓移植 が必要となります。また、脳梗塞や心筋梗塞との関係も高く、全世界でCKD対策が進められています。HD
血液透析のことで、英語のHemodialysisの略語。HLA
免疫を担当する白血球の組織適合抗原のことです。体の免疫反応の主役ともいえる存在で、腎臓移植 の際に、提供者(ドナー)と被提供者(レシピエント)のHLAを合わせることで拒絶反応を予防することができます。PD
腹膜透析のことで、英語のPeritoneal Dialysisの略語。あ行
アドレナリン
副腎髄質から分泌されるホルモンの一種で、血液の循環状態を調節します。アルブミン
血液中に含まれるたんぱく質の一種で、最も量が多い成分です。血液中の浸透圧の維持や栄養分の運搬などをしています。移植専門医
腎臓移植などのように、臓器の移植を専門にする外科医のことです。インスリン
すい臓のランゲルハンスβ細胞から分泌されるホルモンの一種です。血糖を下げる役割を持ちます。糖尿病と深い関わりを持っています。インスリン依存型糖尿病
比較的小児や若い人に多く、膵臓がインスリンを分泌することができなくなるために起こります。感染などをきっかけに免疫システムの攻撃を受け、インスリンを分泌する細胞が破壊されてしまうことが原因です。1型糖尿病と呼ばれています。インスリン非依存型糖尿病
日本人の糖尿病全体の大半を占めています。インスリンの分泌や作用が不十分なために起こります。原因としては、ストレス・遺伝的要因・肥満・運動不足などがあげられます。2型糖尿病と呼ばれています。
エリスロポエチン
腎臓でつくられるたんぱく質の一種。エリスロポエチンは赤血球の産生を促すので貧血の治療に使われます。エリスロポエチン製剤
赤血球の産生を促すホルモンであるエリスロポエチンを遺伝子組み換え技術を用いて人工的に作った製剤です。か行
活性型ビタミンD製剤
体内のビタミンDは腎臓で活性化され、腸からのカルシウム吸収を促します。腎機能が低下するとビタミンDの活性化が障害されるため、活性化された形でのビタミンD製剤で補います。カテーテル
体腔より体液や血液などを排出、注入するための細い管。カリウム
筋肉や神経の正常な活動を助けるミネラルの一種。腎臓の機能が低下すると余分なカリウムを除去できなくなります。カリウムが体内に溜まると高カリウム血症を招き、不整脈や血圧の低下、最後には心拍停止などの重篤な症状を引き起こす場合があります。カリウム吸着剤
薬剤の一種で、腎臓で排泄できなかったカリウムを消化管内で吸着させて便に排泄させる働きをします。急性腎炎
急性に発症し、腎機能の低下を伴った血尿、むくみ、高血圧、たんぱく尿などを特徴とする腎炎。急性腎不全
大量の出血や脱水、薬物などが原因で急速に腎臓の機能が低下したために起こる状態。拒絶反応
移植された臓器を「自分の臓器ではない」と判断し、攻撃し破壊しようとする反応。グラフト
「グラフトする」とは、あるものを別のものにつなぐことを意味します。腎臓病関係では、通常人工血管を動静脈につなぐこと、あるいは人工血管そのものを「グラフト」といいます。グルカゴン
すい臓のランゲルハンスα細胞から分泌されるホルモンの一種。血糖を上げる役割を持ちます。クレアチニン
筋肉が活動する際にできる老廃物の1つ。腎臓でろ過されますが、ほとんど体内に再吸収されずに、尿中に排泄されるため、腎機能の測定に使用されます。クレアチニン・クリアランス
腎機能の程度をみるための評価法の一つです。正常の腎機能を100%とすると、これが10%以下(クレアチニン・クリアランスで10mL/分以下)になった場合、透析導入を考慮します。1~2時間の短時間の尿を測定する方法と、1日の尿をすべて採取する24時間蓄尿があります。血液透析(HD)
週3回専門の医療機関に通院して行う治療法です。血液を体の外に取り出し、器械を使って体にたまった余分な水分や老廃物を取り除きます。1回の治療時間は4時間程度です。血中クレアチニン
血液中のクレアチニンのことです。クレアチニン産生量は、筋肉総量と比例します。血液中のクレアチニンの濃度は腎機能によって決定し、腎機能が低下するとクレアチニンは尿に排泄されず、血液中の濃度が増加します。血糖
血中のブドウ糖。糖尿病患者さんの中には、血糖を正常に保つために薬が必要となる人がいます。症状が軽い人は、適切な食事療法と運動療法だけでコントロールできます。血尿
尿に血液が混入している状態です。慢性腎炎では、顕微鏡でみて、赤血球が混じっていることがわかる程度のことが多く、初期の徴候として重要です。献腎移植 (けんじんいしょく)
心臓が停止した死後あるいは脳死された方が腎臓提供者となる腎臓移植です。腎臓移植希望者は(公社)日本臓器移植ネットワーク(JOT)に登録する必要があります。降圧剤(こうあつざい)
血圧を下げる薬です。腎臓が悪くなると、体の中を循環する血液量が増えて血圧が上がります。様々な種類があります。高カリウム血症
血清カリウムが 5 mEq/L以上(正常値は3.5~5.0mEq/L)になると、高カリウム血症となります。6.0 mEq/L以上になった場合は食事に対する注意が必要です。6.5 mEq/L以上になると余分なカリウムを排泄するための薬物療法が必要になります。コルチゾール
副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。糖質やたんぱく質脂肪の代謝に 影響します。さ行
残腎機能(ざんじんきのう)
主に透析治療を開始した後に、残されている腎臓の機能のこと。糸球体(しきゅうたい)
腎臓の中にある毛細血管の集まりで、汚れた血液をきれいにするフィルターの役目をしています。糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)
糸球体に起こる(感染によるものではない)炎症。シャント(内シャント)
血液透析(HD)を行うために動脈と静脈を連絡して静脈を膨らませ、太い針を刺せるようにするためのもの。循環器
心臓・血管・リンパ管など、全身に血液やリンパを流通させる器官のことです。栄養・ホルモン・酸素などを体内の各組織に運び、同時に老廃物を体内の各部から集めます。消化器
体内に入った食物の消化・吸収を行う器官のことです。食品交換表(腎臓病)
たんぱく質を含む食品と、たんぱく質を含まないでエネルギー源となる食品に分けられ、たんぱく質を含む食品は、たんぱく質3gを含む食品重量を一つの単位として示してあります。同じ表の中で食品を取り替えて選べるようになっています。
腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓の中にある尿管に続く空間に起こる炎症のことで、通常は細菌の感染が原因であることが多いです。神経症
糖尿病による合併症の一つです。手足のしびれや麻痺などの影響が出ます。腎結石(じんけっせき)
腎臓の中にできるカルシウムやリンなど水に溶けにくい成分の結石のことです。腎硬化症(じんこうかしょう)
高血圧や動脈硬化症などによって腎臓の細い血管が硬くなり、血液が流れにくくなる病気です。腎静脈(じんじょうみゃく)
腎臓で浄化された血液を心臓にもどす血管のことです。腎生検(じんせいけん)
腎臓の組織の一部をとり、顕微鏡で調べる検査です。腎生検により、腎臓病の確定診断ならびに障害の程度を推し量ることができます。腎臓専門医
内科、特に腎臓病を専門にした医師のことです。腎動脈
心臓から腎臓に血液を運ぶ血管のことです。腎嚢胞(じんのうほう)
腎臓内に尿が詰まった小さな袋ができている状態。正常な状態では嚢胞はできませんが、数が多くなければ危険はありません。腎不全(じん不全)
腎機能が低下し、腎臓の働きが悪くなった状態。腎臓の働きが正常の15%以下の状態を末期腎不全といい、腎代替療法(透析や移植)が必要になります。生体腎移植
健康な血縁者が腎臓提供者となる腎臓移植です。なお、最近は配偶者間の生体腎移植も増加しています。生着率(せいちゃくりつ)
移植された臓器が機能する割合のことです。赤血球
体中に酸素を運ぶ役割を果たしている血液細胞で、ヘモグロビンを多く含むため赤く見えます。ソーシャルワーカー
社会保障なども含めた医療全般について、カウンセリングする専門家。た行
ダイアライザー(透析器)
腎不全患者さんの血液から老廃物を除去する人工の膜で作られた装置。多発性のう胞腎(たはつせいのうほうじん)
腎臓にのう胞(液体がたまった袋)がたくさんできて腎臓を圧迫し、腎機能が低下する遺伝性の病気です。たんぱく尿
糸球体を構成する細胞が傷害されると、ろ過機能が低下して、たんぱく質が尿にもれてきます。この状態をたんぱく尿と呼びます(腎臓病でなくても、一時的に運動や姿勢でたんぱく尿がみられることがあります)。治療用特殊食品(腎臓病用)
たんぱく質の摂取制限を必要とする腎疾患等の方に適した食品で、たんぱく質を抑えた食品、エネルギーを補うための食品、リン、カリウム、ナトリウム(食塩)を抑えた食品などがあります。電解質
水や溶液に溶けて、電離して陰陽のイオンを生ずる物質です。人間の体液中にもナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、クロールといったさまざまな電解質が溶け込んでおり、体の恒常性を保つ作用をしています。透析
腎臓の代わりに膜を使用して老廃物や余分な水分をろ過し、浄化すること。透析には、生体膜である腹膜を用いる腹膜透析(PD)と中空糸の人工膜の束を集合したダイアライザー(透析器)を用いて、透析を行なう血液透析(HD)とがあります。透析液
血液透析(HD)や腹膜透析(PD)に使用される電解質、アルカリ化剤(酸性に傾いた体内を中和する)を含んだ溶液。糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)
糖尿病による高血糖状態が長期間持続することによって、糸球体障害が起き、腎機能が低下する疾患で、多くの場合高血圧を合併し、それがさらに腎機能低下を相乗的に促進すると言われています。現在、透析へ移行する原因疾患のトップです。動脈硬化
動脈の内皮側に脂質を含む体内の不要物が付着して血管が硬化すること。動脈硬化症
動脈の内側にコレステロールなどの脂質がたまり、血管が硬くなってしまう状態です。血管が硬くなると、血液が通りにくくなり、さまざまな脳心血管合併症を引き起こす原因となります。ドナー
臓器移植の際に、臓器を提供する側の人。な行
ナトリウム
血圧の調節に関係するほか、細胞レベルで非常に重要な働きをするミネラルですが、腎臓の機能が低下すると体内に溜まり始め、悪影響を及ぼします。日本臓器移植ネットワーク(JOT)
国内における死後の臓器移植を公正・公平に行うための唯一の機関。移植希望者はJOTに登録し、臓器の提供を待ちます。ホームページ:https://www.jotnw.or.jp/
尿素窒素(BUN)
食べたたんぱく質の燃えカスです。本来は尿に排泄されますが、腎機能が低下すると体外への排泄量が低下して体内に蓄積されます。正常値は8~20mg/dlです。尿毒症
血液中に老廃物が溜まり始め、実際に臨床症状が出現した状態。尿毒症の患者さんは、臨床症状として、嘔気、嘔吐、易疲労感、倦怠感などが出現し、浮腫、呼吸困難、体重減少、高血圧、睡眠障害などを示すことがあります。尿毒素
尿毒素自体は身体にとって有害で、貧血、血圧上昇、かゆみなどを引き起こすといわれています。体の中で産生される老廃物の中には毒性のあるものは、腎臓や透析によって体から除去されなくてはなりません。
は行
不均衡症候群(ふきんこうしょうこうぐん)
急速で過剰な血液透析(HD)によって、細胞の内外で浸透圧の障害、様々な物質濃度異常が生じて頭痛、嘔吐、筋肉けいれんなどの症状をおこすこと。血液透析(HD)を始めたころに起こりやすいといわれています。腹膜
腹部の内側を覆ううすい膜。腹膜炎
ある一定量の細菌増殖によって腹膜が炎症を起こすこと。腹膜透析(PD)
自分のお腹にある腹膜を利用して、ここに透析液を貯留して体内の毒素を除去する透析療法です。お腹の中に透析液を出し入れすることで体の余分な水分や老廃物を効率的に取り除きます。
在宅で行なうことが可能であり、就寝中に器械を使って透析液の交換をする方法(APD)と、1日に数回透析液を交換する方法(CAPD)があります。