そろそろ透析と言われたら・・・ 医師と看護師によるアドバイス
透析導入時に関する、医師・看護師からのアドバイスです
「“透析”を正しく理解して快適な生活を」
「そろそろ透析を」と告げられたら・・透析という言葉自体はよく見聞きしていても、実際にどのような治療なのか、生活はどう変わるのか、大きな不安がつきまとうのではないでしょうか。そこで今回の特集では透析への理解をより深めるために、昭和大学腎臓内科の先生と看護師の方々に、透析導入との向き合い方、腹膜透析(PD)と血液透析(HD)それぞれの特徴、治療の選択肢の考え方などさまざまなアドバイスをいただきました。
出席者:昭和大学病院 腎臓内科
- 加藤徳介先生 (腎臓内科 助教)
- 保坂 望先生 (腎臓内科 助教)
- 上村典子看護師(入院棟10階病棟看護師)
- 竹内千草看護師(血液浄化センター看護師)
「もっと元気に生きていくための治療」として、前向きに受けとめて
――「そろそろ透析を考えましょうか」と先生から言われると、患者さんの頭には不安や心配が頭をよぎるのではないでしょうか。まず、「透析」をどのように捉えればよいのか教えてください。
加藤先生 ネガティブに捉えられがちな透析ですが、「腎臓病には“透析”という確立した治療法がある」、そして「生命予後が格段によくなっている」という事実を、ぜひ知っていただきたいと思います。さらに、透析技術や透析液の進化により、透析導入前に近い生活を送ることも可能になっています。このことを理解して、「もっと元気に生きていくための治療」として透析を前向きに受けとめてほしいですね。
保坂先生 透析導入後は、生活や仕事など、やはりそれまでとは多少変わることもあります。患者さんにとっては受け入れ難い面もあるかもしれませんが、医師や看護師に時間をかけてゆっくり説明してもらい、わからないことをそのままにせず、病状について透析について、そのほか何でも質問して、ご自分が理解・納得できている状態になっておくことが大切です。知識を得ることで、不安はある程度解消されます。ご家族のサポートも重要ですから、できれば家族にも一緒に話を聞いてもらうとよいでしょう。
竹内看護師 透析導入時の不安が少しでも軽減されるよう、保存期で受診されていた外来、導入時に入院される病棟、そして、導入後に通院される透析センターの医師や看護師が一つのチームになって患者さんをサポートしている病院も多いはずです。当院もそのような体制をとり、患者さんの情報を共有しています。患者さんと信頼関係を築いて、安心してご相談いただけるよう、私たちスタッフも日々努力しています。
患者さんは透析と一生おつきあいしていくことになるので、自宅での生活を配慮した準備が必要になります。医師や病棟看護師、透析室スタッフ、薬剤師・栄養士・ソーシャルワーカー等、多くのスタッフが、皆さんの今後の生活のサポートをします。
訪問看護や介護ヘルパー等の調整も行っています。
上村看護師 透析に対して暗いイメージを持っていた方も、透析治療を経験されると、「想像していたよりも楽」「体調が良くなってきた」「食事がおいしくなった」など、透析のよい面が見えてくる患者さんが多いと感じています。