健康的な外食・中食がひと目でわかる スマートミール認証開始!
2018年10月
食事療法はしなくてはいけないと分かっていても、忙しくて外食や中食になってしまう、そんな人の助けになりそうな認証制度がスタートしました。健康的な外食や中食がすぐわかるというのですが、いったいどんな制度でしょう。
第1回は全国で1 万6809 件が認証!
「健康的な食事(スマート・ミール)・食環境」認証制度というもので、日本栄養改善学会が中心となり、高血圧、糖尿病、肥満、動脈硬化、腎臓など10の学会や協会が協力し、栄養バランスがよい食事や禁煙など健康的な環境で食事を提供する店を認証する制度です。外食、中食、給食(学校や企業などの食堂)の3つの部門があり、4月から応募を受け付け、審査を経て8月23日に第1回の結果が発表されました。個人経営の店から大手チェーン、学食や社員食堂まで79の応募があり、外食25件、中食11件、給食34件、1万6809店が認証を受けました。店舗数が多いのはチェーン店が参加しているためです。各店や事業所は、「スマートミール」として認証されたことを店内やホームページなどでアピールすることができます。
星★の数で健康度チェックが可能
認証の基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」などを基準としたメニュー内容となっていることと、禁煙であること、料理を作る課程に管理栄養士・栄養士が関わっていること、メニューの内容をわかりやすく示していること、 説明できる人がいることなどで、すべてをクリアすると星ひとつが与えられます。オプションとして、「週3回以上、精製度の低い穀物を含む主食を提供」「野菜70グラム以上のメニューを提供」「卓上に調味料を置いていない」などの18 の項目のうち5つ以上当てはまると星2 つ、10 以上満たすと星3つが獲得できます。
認証された個々のメニューはこれ!
外食部門で認証されたのは、モスフードサービス、丸の内タニタ食堂、大戸屋など25件。モスフードサービスは関東14店で提供する「バランスセット」が星2つ(★★)、丸の内タニタ食堂は「野菜カレー定食」「手ごねハンバーグゴロっと野菜のトマトソース定食」が星3つ(★★★)、大戸屋は「四元豚とたっぷり野菜の蒸し鍋定食」が星2つ(★★)でした。中食部門はコンビニエンスストアなど11件。なかでもファミリーマートの「炙り焼き鮭幕の内弁当」(★★★)は全国1万6319店で取り扱われています(3日前の朝9時までに要予約)。給食部門34件は、キユーピー、日本生命保険相互会社東京本部、アサヒグループホールディングスなど社員食堂が多く、社員の健康に気を配る企業が増えていることが分かります。第2回は来年3月に発表される予定です。このように外食や中食にも健康的なサービスが増えてきました。メニュー内容については詳細が表示されていますから、自分の食事療法に取り込めるところを上手に利用してみては いかがでしょうか。
スマートミールの基準:
以下をもとに細かい基準が設けられています。
1. | エネルギー量は、1 食当たり450 ~ 650 kcal 未満(通称「ちゃんと」)と、650 ~ 850kcal(通称「 しっかり」)の2 段階とする。 |
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2. | 料理の組み合わせの目安は、①「主食+主菜+副菜」パターン ②「主食+副食(主菜,副菜)」パターンの2パターンを基本とする。 |
3. | PFCバランスが、食事摂取基準2015年版に示された,18歳以上のエネルギー産生栄養素バランス(PFC%E; たんぱく質13~20%E, 脂質20~30%E, 炭水化物50~65%E)の範囲に入ることとする。 |
4. | 食塩相当量は、「ちゃんと」3.0 g未満、「しっかり」3.5g未満とする。 |
5. | 牛乳・乳製品、果物は、基準を設定しないが、適宜取り入れることが望ましい。 |
6. | 特定の保健の用途に資することを目的とした食品や素材を使用しないこと。 |
※「2018年10月号そらまめ通信」より