10月は臓器移植普及推進月間
自分らしい選択をするために、正しい知識を!
2019年10月
毎年10月は全国で臓器移植への理解と臓器提供の意思表示を促進するグリーンリボンキャンペーンがおこなわれています。特に10月16日は、移植や命について話し合う「グリーンリボン デー」。家族と話し合って意思表示しておきましょう!
(公社)日本臓器移植ネットワーク 広報・啓発事業部長 雁瀬 美佐 さん
腎不全にならないための食事や生活を心がけて健やかに過ごせることが一番ですが、残念ながら腎不全に進行してしまったら、血液透析や腹膜透析など医療機器でサポートしていく治療と腎臓移植のように他者の臓器を提供していただいて移植する治療があります。どの方法も主治医や医療機関とよく相談し、具体的な方法や留意すべきことをよく知って、自分や家族の考えや生き方に合う選択をすることが理想です。
腎臓移植について
腎臓移植は、腎不全の根治療法ともいわれ、移植後に免疫抑制剤という薬を飲み続ける以外は普通の人と同じように生活できます。学校に行ったり、会社に勤務したり、食事も旅行もスポーツも楽しめます。
献腎移植(亡くなった方からの提供による腎臓移植)を希望する方は、日本臓器移植ネットワークに登録し、移植の機会を待ちますが、約12,000人の待機者に対し、年間腎臓移植を受けられる方は200人弱。平均待機期間は約14年8か月(2017年末)にも及びます。腎臓の提供者が少ない現状を補うために、家族からの生体移植もおこなわれていますが、健康な人から腎臓を摘出するために、”やむを得ない場合“ ”例外として“ とされていて、本来、死後のご提供による腎臓移植が進むことが望まれます。
臓器提供について話し合っておこう
移植には、多くの方の理解と善意の臓器提供が必要ですが、移植を受けることも受けないことも、臓器を提供することも提供しないことも、皆さんが自分で選択でき、その意思が尊重されます。特に臓器提供については、本人の意思がわからないと残された家族だけで決めることになり、迷ったり悩んだりすることになります。あらかじめ家族とよく話し合って意思表示しておくことが大切です。
臓器提供の意思表示は、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカード、意思表示カードへの記入や、インターネットによる登録もできます。【臓器移植】で検索
グリーンリボンは臓器移植のシンボル
10月の推進月間には多くのイベントや各地の著名なランドマークを緑色にライトアップする「グリーンライトアッププロジェクト~患者さんに希望の光を届けよう~」を展開しています。各地のイベント情報はグリーンリボンキャンペーンサイトでご覧ください。グリーンリボン検定も実施中!合格したらグリーンリボンピンバッジがもらえます。ぜひチャレンジしてみてください。
※「2019年10月号そらまめ通信」より