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「高度低下」に関する検索結果
Q11
腎臓のはたらき:高度低下とはどのくらい?
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- 高度低下
- 回答
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腎臓の働きを示すeGFRは15~29と30%以下まで低下しています。CKDステージ4にあたり、機能を回復させることができない段階と考えられます。腎臓の機能がほとんどなくなる末期腎不全になるのを遅らせることが目的ですが、同時に末期腎不全の治療法(腎代替療法:腹膜透析、血液透析、腎移植)について考え始める時期です。
あなたの腎臓はどのくらい働いている?
日本腎臓学会のWebサイトでは、血液検査のクレアチニン値と年齢・性別から簡単に自分の腎臓の働き(eGFR)が分かります。
残存腎機能(残っている腎臓の機能)はさらに低下し、むくみ、尿の減少、高血圧、貧血なども悪化してきます。体内に老廃物がたまりやすく、頭痛、食欲不振、嘔吐、不眠などさまざまな尿毒症の症状が現れることもあります。脳・心血管病を合併している人では、血圧調節に関わる腎臓の機能が低下するため、高血圧に特に注意が必要です。
これ以上の腎機能の悪化を防ぎ、透析療法の開始を遅らせることが目的となります。原因疾患の治療とともに、より厳格な食事療法や生活習慣の改善、薬物療法により尿毒症や合併症を治療します。
参考:
・「そろそろ透析が必要です」と言われた方へ
・新しい透析医療の考え方
・腹膜透析
・血液透析
・透析なんでもQ&A
・二つの透析の比較
・腎臓移植
Q5
自転車やゴルフは大丈夫?
- 相談者
- 保存期患者、49歳、男性
- 相談内容
- 多発性のう胞腎からの腎不全状態と診断されています。クレアチニンが3.35です。自覚症状はあまりないのですが、時々貧血のような症状があらわれたり、体がだるくなることはあります。ときどき自転車に乗ったり、ゴルフをしていますが、腎臓によくないのでしょうか。
- 回答
- 慢性腎臓病はどのステージにおいても、過労(翌朝の起床時に疲労感が残るような程度)は避け、十分な休養が必要とされています。しかし、だからといって極端な運動制限を必要とはしません。必要以上に安静臥床を強いれば、筋肉量が減少し、栄養不良の状態になってしまいます。あなたのデータから、推定糸球体ろ過値は16.9ml/分程度と推定され、慢性腎臓病のステージ4に相当します。ステージ4の場合には、日本腎臓学会の指針によると、食事療法、血圧管理がきちんとなされ、体の状態(貧血、血糖、脂質、骨・ミネラル関係など)が良好であれば、過度な運動制限は必要なく、適度な運動(過労にならない程度の運動)はむしろ身体的にはプラスの効果があります。ただし、高度のタンパク尿・浮腫(ネフローゼ症候群)、肉眼的血尿が存在する場合には安静が必要となり、過度な運動は逆効果となります。
あなたの場合は、とくに問題となる数値や症状は出ていないようなので、過労と感じない程度の運動は続けてもかまわないと思います。その際、運動の前後に尿検査を受けて、タンパク尿、潜血の変化を見てもらうと参考になると思います。しかし、貧血や極端に体がだるくなる場合は体からの警告と受け止め、運動を休んで安静にして下さい。それでも疲労感が消えない場合には、「過労」ということなので、それ以上の運動は避けて下さい。
Q11
eGFRをこのまま保つために自分でできることはないでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、81歳、男性
- 相談内容
- 父についての相談です。血清クレアチニン値3.09、GFR6.0です。食事療法は塩分6g制限の食事を取っています。腎臓病の他に軽い認知症があり、四国の田舎に母と二人で住んでいて、近直、東京の私の近くに住みたいと希望もあり、そのようにする予定です。担当医によるとeGFR16.0の数値がネックになっているようで、あと三ヶ月後には、透析をした方がいいといいます。何か他にeGFRの数値を上げる方法はあるのでしょうか?
- 回答
- 81才という年齢から考えると腎硬化症(腎臓での動脈硬化;年齢や高血圧が原因となります)による慢性腎臓病と思います。
尿所見や貧血の程度がわかりませんが、慢性腎臓病では、特に
1)高血圧 2)蛋白尿の程度 3)貧血
が腎機能悪化(進行)の大きな要因になります。また、それに加えて(肥満、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、喫煙などの)生活習慣病が悪化の要因となります。
現在、処方されている薬の内容をみると、現在の担当医の先生がこれら(上記)についてほぼ網羅しているように思います。
したがって本人にがんばって頂くことは(年齢的に無理しない程度で、また、お母様に負担がかからない程度でよいと思いますが)
1、安易に痛み止めなどを使わない
使う際には、主治医の先生にたずねてから
2、自宅での体重および血圧のチェック
3、減塩(塩分6gでよいと思います)の継続
ができれば、もうしばらくは腎機能(eGFR)の安定化がはかれるのではと思います。
近々、転居の可能性があるとのことで、現在の主治医と今後の住まいでの担当医とのバトンタッチがうまくいけばと思います。
Q16
健診で腎臓病と高血圧が見つかり、最近蛋白尿も出ました、どんどん悪くなるのでしょうか
- 相談者
- 保存期患者、51歳、男性
- 相談内容
- 健診にて血清クレアチニン上昇(2.0)と高血圧(上が150)の異常を指摘され、一年以上かけて様々な検査を行いました。幸い蛋白尿はいつも(ー)でした。その後、高血圧も正常値になり、経過観察で良いとの事になりました。腎生検は行なっておらず、正確な原疾患名は分かっていません。なお、主治医からの指導で、蛋白質(40g/日)、塩分(6g)を守っております。その後引っ越したため、新しい病院の腎臓内科で、半年に一回検査(血液と尿)を行い、腎エコーにて両腎の萎縮があり、腎硬化症との診断を受けています。一番最近の検査で、血圧正常、Cr1.89、推算GFR31.1と、初めて蛋白尿(+2)が出てきました。主治医からの指導は「適度な運動」です。経過観察でよいとの事ですが、どんどん悪くなって行く様な気がして心配です。
- 回答
- 15年間Crが2.0から1.89とほとんど変化していないことからも(つまり、腎機能は悪化していない)、治療はうまくいっていると考えられます。
15年前の段階でCr 2.0であることから、すでに腎臓がある程度障害されていた可能性があります(腎萎縮の存在)。
原因は高血圧や動脈硬化による腎硬化症が最も考えられます。
腎機能は高齢化すれば健康な人でも徐々に低下します。もともと腎臓が悪い方(CKD)ではなおさらです。したがって、今後少しずつ腎機能が悪化するのは覚悟してください。でも、血圧のコントロール・食事療法と日常生活の管理などでその悪化は少なくできます。主治医を信頼し、その指示に従って治療を継続するのが一番だと思います。
Q17
腎臓結石発病でクレアチニン値が上昇、下げる方法を知りたい
- 相談者
- 保存期患者、62歳、男性
- 相談内容
- 糸球体腎炎で25年以上血清クレアチニン(Cr)値が1.1mg/dL程度でしたが、腎臓結石発病以来 急激に上昇してきて、現在1.88mg/dLに悪化。 腎臓には細かい石があるが、今は結石による痛みは無い。痛みは無くても結石が腎機能悪化の原因となりますか?
透析を避けたいのでクレアチニン値を下げる有効な方法を教えて下さい。(減塩、低蛋白食実施中)
- 回答
- 今回、腎臓結石発作をきっかけに急に腎機能が悪化されています。推定糸球体濾過量を計算すると、53.5 から29.8ml/分/1.73㎡と慢性腎臓病のステージ分類、3aから4への増悪です。通常、結石発作だけで、腎機能が低下し、そのままの状態であることは、あまりありません。尿の流れが結石のために妨げられて、尿が腎臓に溜まった状態となっている水腎症などはありませんか。痛みがなくても腎機能悪化の原因となることがあります。水腎症は、腹部エコーや腹部CTで診断が可能ですので、主治医の先生と相談されてはいかがでしょうか。また、結石への感染も腎機能悪化の一因となりますが、発熱や尿中の白血球はいかがでしょうか。
クレアチニン値を下げる方法ですが、減塩、低蛋白食を熱心に行っておられ、非常に良いことかと思います。25年間、クレアチニン値が1.1だったことは、実に素晴らしいことと思います。原疾患(この場合糸球体腎炎)の治療の他、血糖、脂質(HDL, LDLや中性脂肪)、血糖、肥満、喫煙、尿酸などの治療が大切です。蛋白尿の程度はいかがでしょうか。このような項目について、一つ一つ、主治医の先生にご相談されながら、治療を続けてください。
Q22
心臓病に新薬服用で腎機能低下、腎臓専門医を受診すべきでしょうか
- 相談者
- 保存期患者、89歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 不調で病院を受診したところ、心臓病の新薬(1年前から服用)が原因で腎機能が落ちているので、元の薬に戻すよう言われ、そうしました。検査結果は血清クレアチニン値2.10mg/dLH、 eGFR 23.8mL/minL、高程度の腎機能低下と知り愕然としました。薬の副作用で低下した機能は回復するのでしょうか? 腎臓の専門医を受診した方がよいでしょうか? 腎臓のお薬は処方されていません。
- 回答
- まず、新薬を服用される以前の腎機能を推定する必要がありますが、これだけの情報ではできません。クレアチニンが1.0㎎/dl と仮定しますと糸球体濾過率(GFR)53.5ml/分/1.73㎡となり、年齢だけでも腎機能は低下していると考えられます。
新薬の服用が腎機能低下の主たる原因とすれば、中止されることである程度は回復するかもしれません。しかし、年齢から言って腎機能は新薬服用前にも低下していたと推察されますので、完全な正常値まで回復する可能性は低いと考えられます。 腎臓の専門医にご相談されることをお勧めいたします。
Q9
高齢でもタンパク制限をした方が良いのでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、71歳、男性
- 相談内容
- 糖尿病があり12年前からインスリンも使っています。糖尿病の主治医から腎臓病専門医を紹介してもらい、たんぱく制限の食事を指導されました。しかし、70歳以上の場合、タンパク制限をしない方が良いという情報も聞き、迷っています。
- 回答
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ご質問は、低タンパク食療法に対する懸念があるということかと思いますが、あなたの指示されている制限は、理想体重あたり約0.8g/日という比較的穏健なタンパク制限ですので、経験ある主治医の管理の下で試してみる価値はあると考えます。
あなたの場合、推算糸球体ろ過値(eGFR)は、28.9ml/分で、CKDステージ分類ではステージ4の入り口に相当します。日本腎臓学会が発行している「CKD診療ガイドライン2009」では、この時期のCKDにおいて、タンパク制限が進行を抑制するのに有効としています。そのことは、70歳以上の患者さんにおいても、あてはまるものと考えられます。
ただ、低タンパク食事療法においては、タンパク質の制限を守ろうとするあまりにエネルギー(カロリー)摂取量が足りなくなることがあり、そうすると、体重が減ったり、かえってデータが悪化したりする可能性もあります。
ですので、主治医や管理栄養士の指導のもとで行うことが大切です。
Q17
自己流の食事制限を続けています。やめた方が良いでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、82歳、女性
- 相談内容
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腎硬化症と診断されました。定期的に検査をしていますが、血液検査の数値が悪く、透析に発展するのではと心配しています。現在、血清クレアチニンは1.8前後です。
主治医の診断は、透析にはならない、食事制限もしないでよいという診断です。
食事制限は必要なく透析の恐れはないのでしょうか?自己流の食生活を続けていますがやめたほうがよいでしょうか?(一日蛋白質30g以内という食事をしている)
- 回答
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女性、年令、Cr値より現在の推定糸球体ろ過量を求めると、約21min/ml/1.73㎡となります。約1/3程度の腎機能障害です。会社に例えるなら、定員100名の社員が約30名に減少している状態を想像してみてください。その会社はどうなると思いますか?会社にやってくる仕事量が変わらないとすれば、社員の数が1/3ですから、一人あたりの負担量は3倍に増加しますね。そんな過剰状態が長く続くと、社員は過労で病気に倒れるか、他社に転職するでしょう。ますます、社員は減少し、遂には会社が存続できないほどになりますね。
一般に腎機能が1/3以下に低下すると、このような理屈で進行性に腎機能障害が進みます。今のあなたの腎機能は、丁度、そのギリギリの付近といえます。将来的に透析に絶対進まないとは言えないところでしょう。例えば、何か大きな病気を合併すると、痛んだ腎臓には大きな負担となって機能低下が生ずるかもしれません。
今できることで大切なことは二つあります。一つは血圧を厳しくコントロールすることです。家庭血圧が良い値になっているかどうか、1日3回測定して確認しておくことです(もちろん主治医の先生にお伝えすること)。会社の例えで言えば、作業環境を良好に維持することに該当します。残存腎機能への影響が一番大きいと思います。
第二には、社員の仕事量を減らすことです。腎臓の仕事は多々ありますが、タンパク質の壊れたもの(=尿毒素)を体外に排泄することが主な仕事です。ですから、適切にタンパク制限を行えば、社員の過剰負担を軽減できます。低タンパク食療法は有効です。ただし、注意が必要です。タンパク質を制限することに気を取られて、カロリー摂取量が減ってはいけません。十分量のカロリー確保はとても大切です。どの程度のタンパク制限を行うべきかは、個人差が大きく、食事習慣や、合併症、腎不全の原因疾患や、その方の活動量など、総合的に判断する必要があります。今のあなたに適切な栄養処方箋がどのくらいなのか具体的にご返事することは控えたいと思います。主治医の先生にご相談してみてください。血圧と食事療法を上手に管理できれば、透析へのリスクは随分と減るかもしれません。ただし、低タンパク食療法は高度に専門的な治療であり、もし、主治医の先生があまり詳しくないのであれば、良い先生をご紹介いただいてはいかがでしょうか。