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「合併症」に関する検索結果
Q9
腎臓病の母の運動不足が心配です。
- 相談者
- 保存期患者、73歳、女性
- 相談内容
- 母についての相談です。クレアチニン値3.56で薬と食事療法を行っています。
寒い、疲れると言って殆ど外出せず、運動不足が心配です。外出すると足がむくむといい、ますます家に引きこもってしまいます。
寒さを人一倍感じるのは、腎臓病のせいでしょうか?食事療法のせいでしょうか?(蛋白摂取量が約20g/日)また、足がむくむのは腎機能が低下しているためでしょうか?
運動不足にどのように対処すれば良いのか、アドバイスをお願いします。
- 回答
- ご質問にお答えする前に患者さんの腎機能について説明させてください。
多くの薬剤(主として降圧薬)を服用し、厳格な食事療法(蛋白制限)をされていて、現在のクレアチニンが3.56mg/dLということですので、73歳の日本女性の腎機能としては推算GFR(糸球体濾過量)が9.5mL/min/1.73m2程度となります。推算GFRは、15mL/min/1.73m2未満で治療によっても腎不全症状が改善されなければ透析導入を考慮し、6mL/min/1.73m2未満となれば症状がなくても透析導入が推奨されています。
すなわち、この患者さんの慢性腎不全は、近い将来に透析導入の準備が必要であるとともに、腎不全に伴う合併症を伴いやすくなっている状態と考えられます。透析導入前の腎不全(保存期腎不全)の時期に起こる合併症には、腎性貧血、心不全、甲状腺機能低下症など多くの疾患があります。貧血は動悸、息切れ、全身倦怠感、頭痛、狭心症などの症状がみられ、心不全でも動悸、息切れ、呼吸困難、浮腫などが認められ、いずれの場合も身体活動や日常生活が制限されます。また、甲状腺機能低下症では、無気力、易疲労感、寒がり、動作緩慢、体重増加、便秘、浮腫、高コレステロール血症などの症状が出現します。そして、保存期腎不全期にはこれらの合併症が同時に認められることもあります。
体重、血圧、貧血の程度、糖尿病の有無など詳細なことはわかりませんので断言はできませんが、この患者さんは、運動不足というよりも運動しにくい病状であるように推察いたします。
慢性腎不全、腎性貧血、心機能、甲状腺機能検査など総合的評価が必要ですので、必ず主治医の先生に相談してください。
Q22
心臓病に新薬服用で腎機能低下、腎臓専門医を受診すべきでしょうか
- 相談者
- 保存期患者、89歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 不調で病院を受診したところ、心臓病の新薬(1年前から服用)が原因で腎機能が落ちているので、元の薬に戻すよう言われ、そうしました。検査結果は血清クレアチニン値2.10mg/dLH、 eGFR 23.8mL/minL、高程度の腎機能低下と知り愕然としました。薬の副作用で低下した機能は回復するのでしょうか? 腎臓の専門医を受診した方がよいでしょうか? 腎臓のお薬は処方されていません。
- 回答
- まず、新薬を服用される以前の腎機能を推定する必要がありますが、これだけの情報ではできません。クレアチニンが1.0㎎/dl と仮定しますと糸球体濾過率(GFR)53.5ml/分/1.73㎡となり、年齢だけでも腎機能は低下していると考えられます。
新薬の服用が腎機能低下の主たる原因とすれば、中止されることである程度は回復するかもしれません。しかし、年齢から言って腎機能は新薬服用前にも低下していたと推察されますので、完全な正常値まで回復する可能性は低いと考えられます。 腎臓の専門医にご相談されることをお勧めいたします。
Q2
いきなり腎不全で透析が必要と言われ、家族で毎日悩んでいます。
- 相談者
- 保存期患者、41歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 主人は1月に高血圧・だるいなどの自覚症状があり受診したところ腎不全との診断でいきなりいずれ透析が必要だと言われ、シャント形成手術をしました。医師からの詳しい説明もほとんどなく家族でこれからどうしていいものか毎日悩んでいます。今の数値はクレアチニン6.62尿素窒素73.5です。食事も減塩に努めていますが共働きの為時間をかけれないので献立も思いつかず悩んでいます。子供は中.高生で育ちざかり。20年以上前から潰瘍性大腸炎を患っています。
- 回答
-
腎臓の機能低下は多くの場合に、余りはっきりした自覚症状無しで徐々に進行します。このため、明確な症状が出てきて医療機関を受診した時には、想像以上に腎機能低下が進んでしまっていることがよくあります。定期健診を毎年受けておられたのであれば、尿蛋白の陽性、血圧の上昇、貧血、これらに伴う自覚症にご本人が敏感であってほしかったと思います。
急いでシャント作製手術をお受けになった程ですから、腎機能は大まかに申して正常時の10分の1にまで低下していたのだと推測いたします。
ご主人と貴方が直ちに行うべきことは以下の事項です:
1)慢性腎不全の原因は何なのか? 慢性糸球体腎炎か、糖尿性腎不全?など
2)食生活の基本の学習(医師及び栄養士からの指導)
3)処方される薬剤の内容と作用(効果):何故内服するのか?
4)患者さんの血液透析スケジュールを考慮した家族全体の生活パターンの再構築
(考え直し)
5)透析を開始したことによる潰瘍性大腸炎への影響について担当医に尋ねる
6)腎移植の可能性の追求
いずれの項目も簡単には解決策が出ないかもしれませんが、全国で約31万人の人々が維持透析で命を永らえ、その人なりの社会復帰を果たしています。最初の1年の苦難をどうか歯を食いしばって進めば、道は自ずと開けると信じます。
Q9
透析後のだるさと頭痛に悩まされています
- 相談者
- HD患者、59歳、男性
- 相談内容
- 半年前に血液透析を始めました。透析後に手足のだるさと頭痛があり、悩まされています。除水が少ないと苦痛が和らぐ気がして、飲食を制限して、除水を2kg以下にするように努力しています。何かよい方法があれば教えてください。
- 回答
-
透析後のだるさを考えるときには、治療後の血圧は下がっているか? 脈は? 患者さんの体格、日常の活動性、むくみなどの身体所見、透析にいたった原疾患、心臓の合併症、貧血など検査データ、現在の尿量、現在の透析条件など、様々なことを検討する必要があります。
今回の場合、詳しい情報がありませんが、体重増加が少ないと苦痛が和らぐとのことですので、おそらく透析の除水・血圧低下に関連する症状と思われます。
一般に、腎不全の方は尿が少なくなってくるので、透析を終えてからつぎの透析日までに体重が増加しますが、中2日のときは5%以内、中1日のときは3%以内が望ましいと考えられています。つまり、月・水・金透析の体重60kgの方は、月曜日には3kg以内の増加が望ましいということです。塩分を控えて、水分を減らしましょう。尿量がほとんどない方の場合は、1日700〜800ml以内の水分摂取が望ましいとされています。これには、食事の汁物や薬を飲む水、嗜好品としてのお茶など全てを含みます。
以前は2kgぐらい除水しても平気だったのに、最近はつらい、血圧が下がってきた、足がつりやすいなどの場合には、ドライウエイトが合わなくなってきた(太ってきた)可能性があるので、主治医に相談することが必要です。患者さんの自覚症状、血圧などを総合して医師が判断しますので、患者さんが積極的に情報を発信するのは良いことです。もし十分な尿量(500〜1000ml)があるのに、体重が3〜4kg以上増えてしまうとしたら、生活・食事・水分摂取の内容に問題があると考えて、栄養相談を受けましょう。また、尿量が少なくなってきて体重が増えてしまう場合は、透析時間を3時間から4時間にするなど、透析治療の見直しが必要でしょう。いずれにしても、透析とつぎの透析の間の体重増加を抑えることは、長期に合併症を予防するためにも重要です。
Q16
透析7年目ですが、手根管症候群と言われました。
- 相談者
- 血液透析患者、77歳、男性
- 相談内容
- 6年間の腹膜透析の後、血液透析に移行して1年経過しました。一ヶ月前から、右手がしびれてきて手根管症候群といわれ手術しました。今は完治したのですが、今度は左手がしびれてきました。手根幹症候群は、血液透析10年経過しないとでないと聞いていますが、なにが理由かわかりません。また、β2mgは、21ですが、透析中に吸着器具を使用できますか。ご教示ください。
- 回答
-
透析の年数は合計7年で、はじめの6年は腹膜透析をなさったとのこと。
一般にベータ2ミクログロブリンの蓄積による『透析アミロイドーシス』は、相談者の方もおっしゃるように長期の血液透析の合併症として知られているものです。透析歴10年以内では絶対起きないかどうかは確信がありませんが、少なくとも起きにくいはずです。また腹膜透析では血液透析に比べて『透析アミロイドーシス』が起こりにくいと考えられ、質問者の手根管症候群がもし『透析アミロイドーシス』のために起きたのだとすると、通常より進行が速い疑いがあります。
ただ手根管症候群そのものは、透析者以外でも起きることはそれほど珍しくはなく、『透析アミロイドーシス』以外の原因でも起きる可能性があります。加えて手のしびれは、手根管症候群以外の理由でも生じるかもしれません。
そこで、(あるいは主治医が既にされているかもしれませんが)お勧めしたいのは次の2点です。
1. 右手根管手術後、切除組織の顕微鏡検査がされたと思いますが、原因は『透析アミロイドーシス』でよいかの確認。
2. 左手のしびれが、手根管症候群のせいかどうかの確認。
これによって見通しが変わってくる気がします。たとえばもし原因が『透析アミロイドーシス』だとするならば、確かに多くの方と比べて進行が早い印象なので、原因物質であるベータ2ミクログロブリンが人より多くできてしまう状態(たとえば炎症など)がないか、調べていただくのがよいでしょう。
なお、血中のベータ2ミクログロブリンの値は、透析前で21だとすると、かなりよい値ではないかと思われます。
ベータ2ミクログロブリンの吸着カラムの使用ですが、適応は透析10年以上となっており、残念ですが質問者はまだ使用できないようです。
Q18
手指のこわばり、肩の違和感、足のひざの立ち上がりもギクシャク。
- 相談者
- 腹膜透析、56歳、男性
- 相談内容
- 腹膜透析を始めて、8ヶ月になります。出口部の傷の治りに時間がかかりましたが、腹膜透析は、特に問題なくきています。2ヶ月前から朝両手指がこわばり、肩の上下に痛みが現れ、現在、肩肘手指に痛みがあります、手指のこわばりは昼寝後にもあります。リウマチではと思い血液検査を2度受けましたが異常ないとのことです。手指のこわばりと肩の違和感、足のひざの立ち上がりもギクシャクしてきました。整形外科的な検査が必要でしょうか、また、当地は僻地で整形外科がなく、整骨院でも良いでしょうか、よろしくお願いします
- 回答
-
「両手指のこわばり」のような症状(レイノー症状と呼ばれます)を呈する理由のうち代表的なものは関節リウマチのような膠原病なのですが、抗核抗体・抗CCP抗体とも陰性であることからやや考えにくい印象です。ただしレイノー症状は、動脈硬化の進行、β遮断薬(テノーミン・メインテート・アーチストなど)の使用、神経疾患など、膠原病以外にも多くの理由で起こり得ます。
腎不全の方では動脈一般のダメージが強いことが知られておりますので、まずはビタミンE製剤(ユベラニコチネートなど)を内服してみる事や、動脈硬化の程度を調べる検査を行ってみる事などを、主治医の先生とご相談してみてはいかがでしょうか。
肩の上下の痛み、肘・手指の痛み、膝の立ち上がりのギクシャク感のような多発関節痛を呈する理由としては、やはり関節リウマチなどの膠原病を疑うことができます。しかし関節痛の原因が膠原病である場合には、ふつう関節は赤い腫れを伴い、CRPなどの炎症反応も陽性となります(関節リウマチならば抗CCP抗体も陽性となります)。また感染性関節炎(淋菌など)および代謝性関節炎(痛風・偽痛風)の場合にも、関節の赤い腫れと炎症反応亢進を伴います。もしあなたの多発関節痛が関節の赤い腫れを伴わないのであれば、これらの疾患はやや考えにくい印象です。
腎不全の方に起こりやすい病態として、関節における「異所性石灰化」があります。これは、骨を構成するリン酸カルシウムという物質が、関節などの骨ではない所に沈着してしまう病変です。この異所性石灰化は血清リンの値が高い方に起こりやすい事が知られていますので、あなたの血清リンの値が高い(6.0 mg/dL以上)場合には是正の必要があります。
また、関節痛の原因を明らかにするためには、やはり一度は整形外科ないしリウマチ内科の医師の診察を受けることが望ましいと思います。
Q19
副甲状腺を取る手術をと言われたが、心配です。
- 相談者
- 血液透析、55歳、男性
- 相談内容
-
のう胞腎で、透析を始めて10年です。
最近、担当医から、副甲状腺をとる手術をするようにいわれました。
心配なのは、とった事によるマイナス面です。
医師からは、取る事でのプラス面のお話が大半で、手術後、カルシウムの吸収が良くなりすぎるようになるため、その調整が必要なのと、声が一週間位でにくくなる位で、特に心配する事はないといわれます。
でも、副甲状腺は必要だから身体にあるわけなので、全部とってしまったら、絶対マイナス面があるはずだと、心配しています。もちろん、手術自体もどれくらいの危険がともなうのかも心配です。
- 回答
-
副甲状腺は腎機能の正常な人では問題はおこらないのですが,腎不全の進行とともに大きくなり機能亢進もおこります。PTHという値が上昇します。さらに透析期間が10年を超えるようになりますといくつかの薬(ビタミンD,炭酸カルシウム,セベラマー塩酸塩)にも反応しない患者さんもでてきます。
最近、シナカルセト塩酸塩(レグパラ)という薬がでてきて効果的になりましたが,胃部不快といった消化器症状がでる人では使用できなかったり,シナカルセト塩酸塩をつかってもPTHが下がらない人に対して副甲状腺の切除術を行います。手術せずに放置しますとどうなるかですが,2000年以前は積極的に手術をしないこともありました。そのような人は骨が変形したり,アキレス腱が切れたりして大変な思いをされたようです。2000年以降は全国的に手術がひろまり,そのような合併症がなくなったように思えます。
これは一般的な治療法です。とらずに放置することのマイナス面の方が多いと判断した時手術の治療選択を行います。手術は4つある副甲状腺の一部を前腕に植え付けることで副甲状腺の機能を温存します。手術の合併症ですが,危険性は0ではありませんが,相当数の手術の経験のある施設では低いようです。
受け持ちの医師の話に納得されたら治療はおまかせしてもよいと思います。
Q20
透析を始めたら、性的機能障害になりました。改善方法はありますか?
- 相談者
- 血液透析、39歳、男(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 今年になって主人が透析を始めました。そしたら勃起しなくなりました。透析は週3で4時間実施。高血圧傾向です。主治医に相談するように夫に言うのも抵抗があって、メールしました。何か改善方法ありますか?
- 回答
-
維持透析を受ける男性患者で性的機能障害を訴える人は、少なくありません。多岐に渡る医学的および心理的な要因がこの問題に絡んでいます。
性的機能障害には、(1)勃起障害(ED)、(2)性的欲望の低下、(3)自信の喪失、(4)アクメの欠如などが含まれます。(1)は男性患者に特有な状況であり、以下のような原因が推測されます:(1)投薬(降圧薬特にベーターブロッカー)、(2)末梢血管または冠動脈疾患、(3)内分泌異常、(4)自律神経失調、(5)体力低下、(6)心理的な因子(うつ傾向・不安症候群、自信喪失、自己嫌悪など)。
対策:1)十分な透析を継続する、2)栄養への配慮、3)十分な運動と睡眠が非特異的ながら基本となります。その上でEDを取り扱う泌尿器科への受診をお勧めします。バイアグラなどの薬剤の内服は効果を期待できますが、専門医に相談したうえでの内服が望まれます。患者が若ければ本人が辛いのでしょうが、恥ずかしがる必要はなく、ご夫婦で話し合った末に、専門医受診をすることが得策です。
Q23
透析をしていますが、子どもへの遺伝が心配です。
- 相談者
- 腹膜透析、46歳、男性
- 相談内容
- 腹膜透析を行っています。15歳の娘と10歳の息子がおり、学校で毎年行われている尿検査では今のところ再検査となったことはありませんが、病院で詳しい検査をした方がよろしいでしょうか。した方が良いのであれば検査の内容はどういったものでしょうか。
- 回答
-
子どもさんへ遺伝するかどうかは透析となった腎臓病の原因で大きく異なります。遺伝性の腎疾患で頻度が高く有名な疾患として、多発性嚢胞腎(PCK)が良く知られています。これは年齢とともに進行し、多くは成人以後に透析になります。常染色体優勢遺伝で男性、女性いずれにも発症します。他にアルポート症候群、遺伝性腎炎とも呼ばれていて男性に現れやすい腎疾患で、病気の進行も男児のほうが女児よりも早いことがわかっています。原因はまだはっきりとわかっていませんが、常染色体のⅣ型コラーゲンの異常であると考えられています。
症状については、幼児期から小学校低学年の間に血尿が出はじめて、年齢とともにたんぱく尿がみられるようになります。やがて症状が悪化して腎機能が低下し、20~30歳までに腎不全に陥ります。難聴の合併率が高いのも特徴です。白内障を伴うこともあります。これらの疾患は、多くの場合親族に腎臓病の方が何人かおり、疾患名もわかっている場合がほとんどです。他にFabry病、これはαガラクトシダーゼAの欠損が原因で、X染色体の異常で発症します。男性に強く症状がでますが、女性にも発症します。これらの疾患が疑われる場合には、早い時期から血圧管理、食事の指導が重要であり、早期に発見する必要があります。またFabry病のように原因がわかっている疾患では、酵素補充などで進展が抑制できる場合もあります。
原発性糸球体腎炎などの慢性腎炎の多くは、遺伝性は知られていません。一方糖尿病、SLE、RAなどの疾患に伴う二次性の慢性腎臓病では、その原疾患が遺伝する場合もあるため、早い時期に明らかにして、きちんと治療をする事が重要となります。 まずはご本人の原因疾患を明らかにすること、その疾患の遺伝性を主治医の先生に確認すること、そして遺伝的な要素がある場合には、一度お子さんをきちんと検査する事は重要です。腎疾患では、早期発見、早期治療によってその進行が抑制できる場合が多いためです。その検査は原因疾患によって大きく異なります。
一般的には蛋白尿の有無、腎機能の確認、高血圧、心臓疾患などの合併症の確認、さらにCT、超音波などの画像検査です。糖尿病や膠原病が疑われる場合には、それらの検査も必要です。
いずれにせよ進展具合、検査方法などは、その原因疾患によって異なるため、きちんと主治医の先生に相談される事をおすすめします。
Q24
腰部脊椎管狭窄症ですが、マッサージをしても大丈夫ですか?
- 相談者
- 血液透析、67歳、女性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
母は現在2日に1度人工透析に通っていますが、腰部脊椎管狭窄症のため足が辛いようです。マッサージ治療をしている整骨院がありますが、透析患者はマッサージをしても大丈夫ですか。
血がサラサラになる薬も飲んでいるので、電気をかけたりしても大丈夫なのか?
少しでも痛みを緩和させてあげたいので、できれば通わせてあげたいのですが?
- 回答
-
病態:腰部脊柱管狭窄症は、長期透析患者によく発症いたします。
多くの場合、通常の加齢変化(変性)のほかに、維持透析患者では脊柱管の靭帯組織や硬膜外へ「アミロイド」と呼ばれる物質が定着してくることを原因とします。
症状:歩行時の痛み、下肢の痺れ、ひどくなると歩行障害などが出現します。
診断:X線写真、CT撮影、特にMRI撮影が診断を決めるうえで、有用です。
治療:基本的には保存的療法となり、消炎鎮痛薬や外固定、筋力訓練などから始めます。マッサージには「強マッサージ」と「弱マッサージ」がありますが、弱マッサージを短時間受けてみて、患者さんがどう感じるかを確り聞くことが大切です。結果が良く、マッサージを加える患者さんの皮膚の状態を直後と日を置いて観察して変化がなければ、続行していいと思います。マッサージの目的は血行の改善と筋力保持(改善)にあります。患者さんは抗凝固薬や 抗血栓薬をお飲みのようですので、強マッサージをまずは避けるべきと考えます。歩行時に強い痛みがあったり、このため歩行不能な状態であれば、手術的な治療を考える必要があります。
担当の透析医から経験のある整形外科医を紹介していただくことをお薦めします。
Q25
そけいヘルニアの診断を受けましたが、このまま腹膜透析を継続できませんか
- 相談者
- 腹膜透析、56歳、男性
- 相談内容
-
現在、腹膜透析を始めて1年3ヶ月になります。Cr 8,BUN 42です。
左そけい部が腫れて、診察を受けたところ、そけいヘルニアとの診断を受けましたが、CT画像から中身は水のようだ、とのことです。手術をするには、腹膜透析を中止、血液透析導入といわれましたが、手術はできないのでしょうか。腹膜透析を続けるなら、ヘルニアバンドで抑えてはとのことですが、大丈夫でしょうか。
- 回答
-
腹膜透析をしている時に、そけいヘルニアは時々遭遇します。
ヘルニアの程度にもよりますが、腹膜透析を継続するためには
1. 腹膜透析のメニューを変更する
(まだ十分に尿量があるようであれば)
通常の腹膜透析から自動腹膜かん流装置(サイクラ―)を用いて
夜間のAPDにして腹圧がかからないようにする方法
2. そけいヘルニアの手術を行う
この間は、腹膜透析を一時的に中止にして、血液透析を行います。
ヘルニアの手術後、一定期間(1-2週間)おいたあとで腹膜透析を再開します。
腹膜透析を継続するのであれば、現在の主治医の先生、外科の先生などと相談し、 メリットやデメリットを再度お聞きした上で、あなたに適した方法を選択してください。
Q28
透析を始めると尿が出なくなるのはなぜですか?
- 相談者
- 血液透析、52歳、男性
- 相談内容
- 透析を始めると尿が少しずつ出なくなってくるのは何故ですか。また透析中に脈が40回前後と少なくなるのはなぜですか。
- 回答
-
血液透析にはいった当初は、まだ腎臓の働きも幾分残っています。しかしながら、短時間に体の中の水分や塩分などを急速に取り除くことを頻回に行うと、体液量の変化や浸透圧の変化により腎での虚血(腎への血流が少なくなる状態)がおこり、残腎機能が低下すると考えられています。
血液透析でも透析間の体重増加が少なく、1回の除水量がほとんどないか、あるいは、きわめて少ない場合には、比較的残腎機能が保たれます。また、24時間かけてゆっくり行う腹膜透析の場合には、血液透析よりも残腎機能が長期に保たれるとされています。
透析中に脈が少なくなった場合に、何らかの症状はありますか(気分不良や ボッートした感じなど)。もともと、スポーツをしていた方では通常より脈が遅い(徐脈といいます)方もいます。心臓の状態や現在飲まれているお薬の影響で脈が遅い方もいます。また、透析や慢性腎臓病の患者さんでは、高カリウム血症を呈すると徐脈になり、気分が悪くなり、緊急で治療を必要とする場合もあります。
一度、主治医の先生に徐脈の原因をしらべてもらう方がよいかもしれません。もともとの心臓の状態、現在飲まれているお薬の影響など、いろいろと考えられます。通常の胸部レントゲン写真や心電図、心エコーなどの検査、必要ならば、24時間心電図(ホルター心電図)での検査も有用です。
ぜひ、主治医の先生と相談して下さい。
Q29
PD5年目で腫瘍が見つかりました、腹腔鏡手術は可能でしょうか
- 相談者
- 腹膜透析、70歳、女性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
・母は腹膜透析を始めてもうすぐ5年です。尿毒症はないのですが、足の浮腫が最近みられるようになりました。PET検査では悪くはなかったのですがそろそろ血液透析に移行しなければいけないのでは、と主治医の先生からも言われているところです。
・そのような状態の中、先日CT検査で2センチの腫瘍が見つかりました。まだ悪性と断定はされていませんがMRI検査をしましょうとのことです。
・本人は手術を拒否したいと申しております。家族としては、手術をして頑張ってほしいと思っているのですが、今まで何度も手術を繰り返してきているので気持ちもわからなくもないのです。
・腹膜透析の患者は腹腔鏡手術は可能なのでしょうか、またミニマム創内視鏡下手術というものをネットで調べたところ腹膜を傷つけずにすることが可能であると。その他に切らずに治す粒子線治療、分子標的治療、インターフェロン治療等調べましたが、どの治療が腹膜透析をしているものに可能な治療かどうか、(近日中に血液透析に変わり癌の治療をすることも考えています)また有効なものかどうかを教えていただきたく思います。
- 回答
-
問題は2つありますね:
1)腹膜透析から血液透析への移行時期
腹膜は5年以上の腹膜透析で傷んで機能が低下しますから、適正な時期に腹膜透析を止めて血液透析へ移行するか、腹膜透析と血液透析を併用するかを選択する必要が出てきます。この点は主治医とよく相談されることを希望します。
2)次はご質問の腫瘍のことです。
追加の検査(MRIなど)で良性か悪性かがはっきりしたでしょうか。現在は腎移植術も腹腔鏡下で行われます。腎腫瘍も極端に大きくはなさそうですから、腹腔鏡下摘出が可能であろうと考えます。
Q35
透析患者のアンモニア臭について
- 相談者
- 透析患者、53歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
透析患者のアンモニア臭についてのご相談です。
父は、多発性嚢胞腎による腎機能の低下に伴い、週3回血液透析を行っています。
最近になってアンモニア臭が強くなり、母と共にどうするべきか悩んでいます。
タンパク質などの食事制限の他に、透析時間を伸ばせば改善するのでしょうか。
- 回答
-
アンモニア臭ですが、尿毒症症状の時(透析導入時)の症状としてよく観察されますが、この方の場合にはすでに維持透析が安定している状態であるならば、少し話は違ってきます。
1つ目の可能性は、尿毒症の状況と同じで透析不足になっていないでしょうか?
血圧低下が頻繁に起こり透析時間がいつも短くなったり、除水だけ行い透析を実施しないことがあるかどうか。この場合には透析時間や透析効率を十分に確保することをクリニックのスタッフとお話しください。
2つ目の可能性は、胃や十二指腸からの出血があるかどうかですね。
血液をサラサラにする薬を飲んでいる方ならば、便潜血反応の検査や内視鏡などの検査を定期的に受けられることが良いと思います。
以上は、アンモニア臭に関してです、もしも血液検査で高アンモニア血症がある場合にはまた違った対応になります。
Q36
腎機能低下と性的欲求の低下は関連がありますか
- 相談者
- 血液透析、54歳、男性
- 相談内容
- 血液人工透析を始めてまもなく一カ月です。腎機能が落ちてきたと一昨年ごろより感じておりましたが、太ももの体毛が薄くなり、性的な欲求に勃起が伴わなくなりました。腎機能の低下とこれらの症状とは関連性があるとの事をあるところで読みましたが、回復させる道はあるものでしょうか?
- 回答
-
ご質問の症状(インポテンツ)は、日本人の妻帯男性205例(年齢:21~81歳、平均48.3歳)の透析患者(透析歴2カ月~19.9年、平均6.6年)を対象に実際に調査した結果によれば、性交頻度は同年代の男性6,426例と比較すると一目瞭然に少ないことが判っています。
さらに外国の透析患者では、陰茎の勃起の不完全を自覚する頻度が、50歳未満で63%であるが、50歳以上ではさらに多いと報告されております。
さらに陰茎周囲増加値を実測した報告では、健常者でも年齢の増加(30歳代→60歳代)に伴い少しづつ低下するものの、透析患者では40歳代から急速に低下幅が増加し、インポテンツ域に入る頻度は40歳代27.5%、60歳代で52.0%に増加します。
インポテンツの原因は多彩で、前立腺などの手術や放射線療法による神経や血管の損傷でも起こりますが、単に自律神経障害でも起こります。エリスロポエチンが登場してからインポテンツが減少したことから、高度の貧血も原因の一つと考えられました。さらに男性ホルモン(テストステロン、ゴナドトロピンなど)の低下も原因として想定されました。
しかしインポテンツは糖尿病でも良く出現します。ですから単に腎不全だけが主因であると決め付けることはできません。腎不全や糖尿病などでは、何らかの非生理的物質の蓄積や、逆に生理的物質の不足が誘因になることも想定されています。
中でも特に、血管内皮細胞から放出される血管拡張因子(NO)を介したcGMPと言われる物質の低下が、強く疑われるようになりました。このcGMPを分解処理しているPDE5と呼ばれる酵素の働きを邪魔して、結果的にcGMPを長く作用させる薬が登場しました。それが「バイアグラ」などの薬剤です。
わが国ではこの種の薬は3種が保険薬として認可使用されておりますが、レビトラ(vardenafil)は透析患者では使用禁忌ですので、実際には透析患者ではバイアグラ(sidenafil)とシアリス(tadalafil)の2種が使用されています。しかしこのふたつの薬剤とも、中等度~重度の腎機能障害では副作用を避けるために、使用量を減らしたり間隔をあける配慮が必須となります。
十分な知識と経験のある医療機関で処方を受けることが重要です。
エリスロポエチンで貧血を十分に改善した上で、この新しい治療薬の使用を主治医とご相談なされては如何でしょうか。
Q37
急速性糸球体腎炎と診断されました 透析後全身が重く感じられます
- 相談者
- 血液透析、69歳、女性
- 相談内容
-
「急速進行性糸球体腎炎」と診断され、現在血液透析を週3回しています。
最近、左上腕と両太ももに赤い斑点ができたが原因不明。bunが高いことから透析も2回から3回に増えました。
また、透析後に足が非常にだるく、特に透析で水分を抜いた日は全身が重く感じられます。原因は水分に関係ありますか。
- 回答
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急速進行型糸球体腎炎とのことから、比較的短期間で透析に入られ、ステロイド剤など原病(腎機能が悪くなった原因となった病気)に対しての薬が継続されていると思います。赤い斑点ができたとのことで、ステロイドの増量や、腎機能の悪化などで尿素窒素が高くなり、そのために透析の回数も増えたと思います。
赤い斑点は、血管炎による(急速進行型糸球体腎炎は、血管炎による腎臓病です。皮膚に赤い斑点などがでたり、肺の合併症など全身の症状を合併することがあります)斑点で、血管炎の皮膚症状ではないかと思います。そのことから、ステロイドを増量されたのだと思います。透析にはいられて、腎臓は一見落ち着いたようにみえますが、他の症状などの合併で、ステロイドや時に、免疫抑制剤といった薬も併用されることがあります。1年くらいは、ステロイド剤などで、管理することになるでしょう。
透析後に足がだるく透析で水分を引いた日は、全身が重い症状がある時は、
1)透析治療による変動に体がまだ慣れていないこと
透析に入ってまだ期間が短いので、透析治療に体がなれていないことも一因と考えます。
透析後には、水分を除去することや、老廃物を短時間の間に除去することなどに、体がまだ慣れていない場合があります。
2)透析後の血圧低下によること
透析でたまった水分を除去しますと、透析終了時には血圧が下がり、倦怠感や体が重い感じがします。 透析を始める朝の血圧、終了後の血圧はどのくらいでしょうか。透析後に血圧がさがる場合には、ドライウエイトが増加してきている(実質の体重が増加している場合があります)。
このような場合には、スタッフの方が、ドライウエイトを上げるなどして、調整してくれます。
3)透析と透析の間(透析間の体重増加)が多い場合
透析と次回の透析の間の体重増加が多いと、一度に沢山除水(水分を除去する)をする場合には、透析後の体調不良があります。
塩分、水分の管理が基本となります。スタッフの方からも、指導があると思います。
1年を経過すると、体調的にもバランスがとれ、ご自分でも透析治療に慣れてきて、社会復帰やいろいろ活動性も高くなり、充実した毎日が過ごせるようになると思います。
Q38
透析中の血圧低下について
- 相談者
- 血液透析、70歳、男性
- 相談内容
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血液透析、週1回4時間。クレアチニン11.3
ここ連続3回大貧血、嘔吐、足がつる。前病院は透析液が合わないので、変えてもらいました。
現病院は、回数を増やせば解消するという。ちなみに前病院と同じ透析液を使用しています。
- 回答
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ご質問の文面から“貧血”を“透析中の血圧の低下”と解釈して解答させていただきます。
透析中の血圧低下にはさまざまな原因があります。
ご質問の中にありました“透析液が合わない”というのは、さく酸不耐症と呼ばれる体質のことを言います。この体質をお持ちの患者さんは、透析液の中に微量に含まれるさく酸という物質が体に合わず、透析中に血圧が下がってしまうことがあります。現在ご使用になられている透析液にはこのさく酸が含まれておらず、血圧低下が起こりにくい透析液ですので、質問者の血圧低下の原因は他にあるのだろうと思います。
次に透析中に血圧が低下してしまう原因は、
①除水量が多い
透析治療中は、血液から老廃物と余分な水分が取り除かれます。このため透析治療により血液は濃縮され、一時的に量が少なくなります。血圧とは、簡単に言い換えれば、指で触った時にどのくらい血管が固く張っているかを示している値です。水を入れてぱんぱんにふくれ上がった水風船を想像してみてください。風船の表面は固く張っています。これが透析前の血管の状態です。次にこの水風船からゆっくりお水を抜いてみましょう。水風船はゆっくりしぼんでいき、表面の張りもなくなっていきます。これが透析中に血圧が低下した状態です。1回の透析治療でたくさんの水を抜けば抜くほど、血管は大きくしぼむので、当然血圧は下がります。
1回の透析治療で血圧が下がらずに安全に除去できる水の量は、多く見つもって体重の5パーセント程度と考えられています。体重50キログラムの方であれば、2.5キログラムが限度です。もし透析前と比べて、透析終了後に5パーセント以上体重が減っているようであれば、透析中の除水量が標準より多いということになります。これが透析中に血圧が下がってしまう大きな原因と考えられます。この場合の対策は、ゆっくりと時間をかけて体にたまったお水を除去することです。週1回の透析では、1週間の間にたまった水を1回の治療で除去しなくてはならないので、当然血圧は下がりやすくなります。透析の回数を週2回または3回に増やせば、1回の治療で除去する水の量が少なくて済むので、当然血圧は下がりにくくなります。
もしそれほど除水量が多くないにも関わらず血圧が低下してしまうようであれば、以下の原因がないかも検討してみる必要があります。
②ダイアライザーアレルギー
ダイアライザーは、いくつかの種類があるのですが、材質が体に合わないとアレルギー反応をおこして血圧が低下することがあります。ダイアライザーを変えた途端に血圧が安定するということを、まれではありますが経験します。
③心機能の低下
心臓の動きが悪かったり、心臓の弁の調子が悪かったりすると、透析中の血圧低下が起こりやすくなります。心臓の機能は、心臓超音波検査を行うことで比較的簡単に知ることができます。
④血圧の薬の影響
血圧の薬の量が多いと、透析中に血圧が下がりやすくなります。質問者は“ブロプレス”しか血圧の薬を飲まれていないようなので、それほど強く薬が効いている状態ではないですが、透析の日はブロプレスの内服を中止する、もしくは透析が終わってから飲むように変更すると、透析中の血圧が安定する場合があります。
⑤血液成分の異常
血液成分のうち、タンパク質の一種であるアルブミンの値が低い、またはナトリウムの値が極端に低い、カルシウムの値が極端に低いなどの場合には、透析中に血圧が下がりやすくなります。これらの値は定期的に検査しているはずですので、大きな異常がないか確認してみてください。
その他糖尿病があると血圧を調節するための自律神経が障害されるため、透析中に血圧がさがりやすくなります。
ここからはまとめです。質問者の普段の血圧、体重増加の程度、尿量等が分かりませんので、断定的なことは言えません。
もしご自分の尿がほとんど出ない場合、体調を良好に保つためには週3回の血液透析を行うことが必須です。質問者は週1回の透析ということですので、まだある程度ご自分の尿が出ているのだと思います。しかし透析開始後2年経過しているので、以前と比べれば尿量は少なくなってきているのではないでしょうか?
それに伴い透析と透析の間の体重が増えてきているのではないでしょうか?
クレアチニンの値が11.13とのことですので、体への老廃物の溜りもやや多いように思います。もしこのような状態であれば、週1回での透析治療では、現在の体の状態に合わなくなってきており、それが透析中の血圧低下として表れているのではないかと考えます。主治医の先生のおっしゃる通り、①週2回へ透析回数を増やしてみてください。透析中の血圧が安定し、普段の体調も上向くのではないかと思います。同時に、②ダイアライザーは体に合っているのか、③心臓の機能は問題ないのか、④血圧の薬の飲み方は適切なのか、⑤血液検査の結果に問題はないのかといったところを、担当の先生に伺ってみてください。
Q39
PDからHDに変更しましたが、レストレスレッグス症候群が改善されません
- 相談者
- 血液透析、44歳、女性
- 相談内容
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2年前から腎不全(紫斑病性腎炎)で腹膜透析導入。半年で浮腫みUP、レストレスレッグス症候群、排尿がなくなる。
透析液や機械を変えるが週1回血液透析併用から週3回になる。透析中にレストレスレッグス症候群の症状強くなり透析をオンラインに変更するが両下肢の痛みが出現。痛み止め、漢方、効果なく整形外科や神経内科受診。はっきりした原因なく心因性と言われ、薬を処方されて様子見る。
夜は眠れるが両下肢の痛み変わらず。泣くほど痛い。酢酸の入らない透析液に変更すると透析中はいいが帰宅後足の痛みと体のだるさが強く出現する。腹膜透析の時具合が悪く、血液透析にしたらどれほど楽になるかと期待したがさらに悪くなった。どうしたらいいのか。透析というものが合わないのか?
- 回答
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現在の1つの症状であるレストレスレッグ症候群は、脚に不快な感覚が起こり、脚を動かしたくてたまらない衝動感、不快感を特徴とする病気です。
一般の方でも出現しますが、透析患者さんでは頻度が高い事が知られています。その原因として、尿毒症の影響、透析不足、貧血とくに鉄欠乏との関連、高リン血症の影響などが考えられています。
そのような中で、現在のあなたの主治医の先生は、3つの方法でいろいろなアプローチをされています。
* まず、透析方法については(透析不足などを考え)、腹膜透析から週1回の血液透析併用、さらには週3回の血液透析への移行、さらにはオンライン透析や無酢酸透析などを試みています。
* また、薬物療法にしても芍薬甘草湯、リリカ、ビ・シフロールやリボトリールなどを投与し、症状の推移をみています。
* さらには、整形外科や神経内科へのコンサルトなども取り入れているようです。
このようにレストレスレッグ症候群の治療の一つをとっても、透析方法、薬物療法、他科へのコンサルトなどを行うことにより、症状は完全にとれないまでも、普段の日常生活に支障のないレベルにはもっていけるものと考えています。透析を専門にする者からみても、様々なアプローチですばらしい治療をうけているのはまちがいありません。それでも疼痛が改善しない場合、原因がはっきりしなくても麻酔科などでのペインクリニックなどもあるようです。
Q40
腹膜透析はうまくできているが、全身のかゆみがひどいです
- 相談者
- 腹膜透析、82歳、男性
- 相談内容
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CAPD Cr10 です。一日に2回腹膜透析を行っています。腹膜透析はうまくできているのですが、体全身のかゆみがひどく、夜も眠れない状態です。
かゆみ止めの服薬をしていますが、一向に収まりません。みなさんは、どのようにされていますか?
- 回答
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透析を行っている患者さんの痒みは、辛い症状の一つです。
痒みの原因は、必ずしも完全に解明されていないのですが、下記の点で検討されてはいかがでしょうか。
・1日2回の腹膜透析であれば、尿はある程度出ているかと思いますが、尿量は始めの頃からすると、減っていませんか?
そうとすれば、体の毒素が十分に排泄されていない可能性もあります。体の毒素は透析と尿の両方で排泄されますが、1日2回の腹膜透析から排泄される毒素の量を考えると、約半分は尿から出ている可能性が有ります。よって、その尿量が減った時には、十分な毒素が排泄されず、体に蓄積して、かゆみの原因となります。その場合には、腹膜透析の回数を3回に増やしたり、1回の透析液量を増やしたりして、透析による毒素排泄量を増やすようにします。また、夏の間は汗で尿量が減ったりしていることもありますので、もう少し飲水量を増やしても良いか、主治医の先生に相談されてもいいかと思います。
・カルシウムやリンの値はいかがでしょうか。カルシウムやリンのバランスが崩れても、かゆみが生じます。
また、副甲状腺ホルモンが過剰となっても、かゆみの原因となります。その場合には、上記の透析量の検討の他、薬剤で調節することとなります。
主治医の先生に、これら値はどうなっているか、確認されては、いかがでしょうか。
・年齢と共に、皮膚の水分が少なくなります。また、秋から冬となると湿度が下がり、一層皮膚の乾燥が増し、これがかゆみの原因ともなります。
保湿できるようなクリームやオイルを十分に皮膚にすり込むこことで、乾燥からくるかゆみは軽減されます。