検索結果
「食事療法」に関する検索結果
Q1
クレアチニンが急にあがりショックを受けています
- 相談者
- 保存期患者、58歳、女性
- 相談内容
- 20年前にIgA腎症と診断され、現在薬物療法と食事療法を行っています。最近急にクレアチニン値が3.2に上がり、ショックを受けています。どのような原因が考えられるでしょうか?また、これ以上悪くならないようにするにはどうすればよいでしょうか。
- 回答
-
IgA腎症は少しずつ進行する腎炎と考えられていますが、20年の間に、10人のうち4人は透析が必要になっています。その点あなたは、20年が経過しても透析が必要なレベルになっていないのは、薬物療法と食事療法の効果だと思います。
腎機能に影響を与える要因、つまり、風邪などの感染症、夏場の脱水症状、非ステロイド消炎鎮痛薬の服薬などによって、クレアチニン値が急に上がる場合もあります。また、尿タンパクが多い方、血圧が高い方は進行が早いようです。適切な食事管理(たんぱく質の制限、適切なエネルギーの摂取、塩分制限)と血圧のコントロールを引き続き行ってください。
またクレアチニンおよび尿素窒素が上昇してきたときは、尿毒素を吸着してクレアチニンの上昇を抑える活性炭の吸着薬(クレメジンなど)の服用により上昇が抑えられることがあります。また腎性貧血が考えられるときは、エリスロポエチンの皮下注射薬などもありますので、貧血を改善しておくとよいと思います。血液が酸性に傾いた場合は、重曹などでPHを調整しておいたほうがよいでしょう。主治医とよく相談してください。
Q3
扁桃摘出後経過観察中ですが、予後が心配です
- 相談者
- 保存期患者、35歳、男性
- 相談内容
- 5年前にIgA腎症と診断され、扁桃腺摘出をしています。半年前から貧血傾向があり、、クレアチニン値が少し上がっているのと、尿酸値が高めです。何が原因と考えられるでしょうか。予後が心配です。
- 回答
- 尿酸はたんぱく質の最終産物ですので、血清尿酸値がやや高値であるのは、食事中のたんぱく質の量がやや多いためと考えられます。IgA腎症に関しては、5年以上20年以内に透析療法に移行する可能性があるといわれていますが、5年〜20年と幅があるのは、日常的な遵守事項を守れるかどうかが大きく影響してくるからです。 栄養士の指導を受けながら食事療法を続けてください。また、主治医の指導を受け、血圧を良好に管理し、過度の身体的活動を避け、体重をできるだけ標準体重に近づけることが大切です。
Q17
腎臓結石発病でクレアチニン値が上昇、下げる方法を知りたい
- 相談者
- 保存期患者、62歳、男性
- 相談内容
- 糸球体腎炎で25年以上血清クレアチニン(Cr)値が1.1mg/dL程度でしたが、腎臓結石発病以来 急激に上昇してきて、現在1.88mg/dLに悪化。 腎臓には細かい石があるが、今は結石による痛みは無い。痛みは無くても結石が腎機能悪化の原因となりますか?
透析を避けたいのでクレアチニン値を下げる有効な方法を教えて下さい。(減塩、低蛋白食実施中)
- 回答
- 今回、腎臓結石発作をきっかけに急に腎機能が悪化されています。推定糸球体濾過量を計算すると、53.5 から29.8ml/分/1.73㎡と慢性腎臓病のステージ分類、3aから4への増悪です。通常、結石発作だけで、腎機能が低下し、そのままの状態であることは、あまりありません。尿の流れが結石のために妨げられて、尿が腎臓に溜まった状態となっている水腎症などはありませんか。痛みがなくても腎機能悪化の原因となることがあります。水腎症は、腹部エコーや腹部CTで診断が可能ですので、主治医の先生と相談されてはいかがでしょうか。また、結石への感染も腎機能悪化の一因となりますが、発熱や尿中の白血球はいかがでしょうか。
クレアチニン値を下げる方法ですが、減塩、低蛋白食を熱心に行っておられ、非常に良いことかと思います。25年間、クレアチニン値が1.1だったことは、実に素晴らしいことと思います。原疾患(この場合糸球体腎炎)の治療の他、血糖、脂質(HDL, LDLや中性脂肪)、血糖、肥満、喫煙、尿酸などの治療が大切です。蛋白尿の程度はいかがでしょうか。このような項目について、一つ一つ、主治医の先生にご相談されながら、治療を続けてください。
Q19
クレアチニンの値が徐々に上り、将来が不安です
- 相談者
- 保存期患者、51歳、男性
- 相談内容
- 腎臓内科に10年ほど前から通院しています。血清クレアチニン(Cr)の数値は1.2mg/dL台でしたが、半年程前から上がりはじめ、1.3、1.4、1.5mg/dL台、今回は1.68mg/dLでした。
尿タンパクは出たり出なかったりとバラバラです。尿酸値は正常になりました。
血圧も正常値です。しかし、血清クレアチニンの数値だけが上がり続けています。
尿タンパクが、+だったり-だったりして、血清クレアチニンの数値だけが上がるのが、おかしいと言われています。今も、降圧剤と尿酸値を下げる投薬を受けていますが、将来的にこのままで良いのか不安です。
- 回答
- クレアチニンは基本的には筋肉量に依存する場合がありますから、プロテインのようなサプリメントを使用している場合や、ジムで筋力トレーニングを行っていれば上昇すると思われます。
抑うつの薬を飲んでいるようならば、筋肉痛を伴うような横紋筋の障害がおこることも可能性としてはあるかもしれません・・・。
いずれにしても特効薬はありませんが、飲水量を増やして経過観察になるのではないかと思います(タンパク尿・血尿の増悪がないようならば)。
また、たんぱく制限や塩分制限などの食事療法は行っていますか? 血圧のコントロール状態はどうでしょうか?
これらは腎機能の低下による血清クレアチニン値の上昇に深く関与しますので、注意を払う必要があります。
Q27
IgA腎症で扁桃腺摘出、今後、食事療法だけでよいのでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、56歳、女性
- 相談内容
- クレアチニン:1.01mg/dl IgA腎症と診断され、扁桃腺の摘出手術もしました。一年前ステロイド治療を行い半月程入院しました。プレドニンが終わり、これからは4ヶ月に一度検査のみといわれたが、そのほかの説明がありませんでした。いつも気になっているのですが、なかなか聞くことが出来ません。
腎臓病の薬というのがあるのでしょうか。血圧も微妙な高さ(血圧手帳の緑の帯のところの上と下をいったりきたりしております)。
食事療法のみなのでしょうか。食事はとりあえず減塩・たんぱく質制限を出来るだけ行っております。たまに気を抜きますが、このままでよろしいのでしょうか。
- 回答
- 現在我が国でもっともよく行われているIgA腎症の治療は扁桃摘出+ステロイド治療です。
おそらくそれを実施されたと思います。扁桃を摘出した後にステロイド(代表薬がプレドニンです)を服用していただくのですが、概ね治療は1、2年で終了します。
IgA腎症をはじめとする慢性腎炎の多くは治療をせずに放置すると腎機能が低下してきます。血清クレアチニン値で2~3を過ぎるともうどのような治療にも反応せず、透析が必要になる末期腎不全にどんどん近づいていくようになります。せいぜいクレアチニンが1.5までに治療を開始したいものです。
この治療を実施した80%の患者さんが治ったと言ってもいいような状態になりました。よってプレドニンを終了され、蛋白尿が減っている状況では今後もとてもいい経過であることが想像できます。
血圧が高い事はやや気になります。IgA腎症の方で悪くなりやすい方の多くは高血圧を有しておられた方です。ですからお宅でも血圧を測定し、可能なら130/80未満まで下げたいところです。
また食事療法ですが、現時点での腎機能ではそれほど厳格なタンパク制限は必要ありません。減塩は基本ですが、今の腎機能(クレアチニン値が1.01)であれば過度のタンパク制限は栄養状態を悪化させます。栄養士さんや医師にも相談したほうがよろしいかと思います。
Q1
なぜ、たんぱく質のコントロールが必要なのですか。
- タグ
- 食事療法
- 回答
- 尿中に排泄される老廃物の大半は、体の成分であるたんぱく質の代謝物です。余分なたんぱく質は分解されて老廃物を増やします。腎不全では老廃物を排泄する機能が低下していますので、たんぱく質の摂りすぎは腎臓に余計な負担をかけると同時に、体内に老廃物を蓄積することになります。
しかし、たんぱく質を控えすぎるとエネルギー不足にも陥り、自分の体の筋肉や脂肪を分解してエネルギーにするので、体重や筋肉量が減少して、体調不良や腎機能低下の原因となります。腎機能を低下させず、かつ体調を維持するためには、たんぱく質の制限とともに、十分なエネルギーを摂取することも重要です。
たんぱく質は、野菜、パン、ご飯、牛乳、肉、魚、卵などさまざまな食品に含まれています。たんぱく質摂取量をコントロールする際には、体に欠かせない必須アミノ酸を多く含む良質なたんぱく質食品(牛乳、肉、魚、卵など)を重点的に摂るようにすることが大切です。適宜、管理栄養士の指導を受けましょう。
Q2
なぜ、塩分のコントロールが必要なのですか。
- 回答
- 体液量(体内の水分量)が多いと血液量が多くなり、それらをろ過する腎臓に負担をかけます。また、血圧も上昇してさらに腎障害が進みやすくなります。そのため、体液量のコントロールはとても重要なのです。塩分を多く摂取すると、血液の浸透圧があがります。浸透圧をさげるため、体は水分を体の中に貯めようとします。さらに、のどが渇いて水分が欲しくなります。そうすると塩分と一緒に水分が体の中に貯まってしまい、体液量が増えます。腎臓が健康な人であれば、尿をだすことで、体内の水分量や塩分量のコントロールが可能ですが、腎臓に障害がある場合には、塩分の摂りすぎは体液量の増加につながり、むくみや高血圧が生じてきます。そのため、腎臓病の治療では一般的に、食事による塩分の摂取量を制限する必要があります。1週間薄味を続けることで食塩に対する感受性が改善します。また、3~4週間継続できると薄味に慣れますが、油断すると簡単に戻ってしまいますので注意が必要です。香辛料や酸味・辛味などで味の豊かさを工夫し、塩味をカバーして美味しい料理を作ることが大切です。
Q5
なぜ、リンのコントロールが必要なのですか。
- タグ
- 食事療法
- 回答
- リンは体内のカルシウムと結合して、骨や歯を丈夫にする物質です。腎臓の機能が低下すると、不要なリンを尿中に排泄することが難しくなり、血液中にリンがたまりやすくなります。すると人体は、バランスを保つために骨からカルシウムを取り出すため、骨がもろく弱くなってしまいます。またリンとカルシウムが体のいろいろなところ(血管、腱、肺など)に沈着して、動脈硬化や異所性石灰化(必要のないところに石灰化がおきること)を起こすこともあります。こうした問題をできるだけ防ぐためには、リンの摂取量を減らして血液中のリンの濃度を適正な値に維持することが必要なのです。
「どうやってリンのコントロールをすればいいのか」につきましては、「腎臓教室vol.110」にて専門の先生が詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
「腎臓教室vol.110」
Q6
なぜ水分のコントロールが必要なのですか。
- タグ
- 食事療法
- 回答
- 腎臓の機能低下の段階によって、尿量の変動がみられます。腎不全になると、尿中の尿毒素を体の外に出そうとして尿量が多くなります。腎不全がさらに進行すると、今度は逆に尿量が減ってきます。また摂取した塩分の排泄も十分にできなくなります。このため飲食により摂取した水分や塩分は、排泄が不十分なため体にたまってしまうことになります。過剰に体に蓄積した塩分は、さらに水分の排泄を減らしてしまいます。体にたまった水分はむくみの原因となり、肺や心臓にたまると呼吸が苦しくなってしまったりします。このため、摂取する水分や塩分を制限する必要があるのです。
ただし、逆に極端に水分を制限してしまうと脱水の状態となり、腎臓の血流量が低下してしまい、かえって腎不全の増悪因子にもなります。基本的には、食塩を十分に制限していればある程度の水分摂取は問題ないと考えられています。食塩の摂取制限は腎不全の進行を防止するために必須ですが、水分をどの程度とってもいいかについては、心臓の機能や血液の希釈の程度(食塩を制限しすぎて、水分を普通にとっていると、血液が希釈されます)、むくみの程度によって異なりますので、主治医にご相談ください。
Q8
具体的栄養指導がなく戸惑っています
- 相談者
- 保存期患者の家族、40代、女性
- 相談内容
- 母(78歳)は主治医からもうすこしで透析導入といわれています。しかし、とくに何のアドバイスもありません。栄養士に食事療法のことを相談しても、はかりではかる必要はないといわれ、読んだ本との違いに戸惑っています。
- 回答
-
腎臓の働きや症状に応じて、たんぱく質、エネルギー、食塩、水分、カリウム等の摂取量がきまります。それらの摂取量を算出するためには標準体重が必要になります。1日のエネルギー量は肥満の程度や血糖のコントロールの状態などでも異なってきますし、たんぱく質の摂取量は腎機能によっても異なります。
やはり、細やかな食事指導を受けることが必要になりますので、もう一度栄養相談室にいき、1日の栄養量、食品構成、塩分量、特殊食品の使用方法などを聞いてみてはいかがでしょうか。また、腎臓教室などを他院の患者さんに開放している病院もありますので、参加してみるとよいと思います。
*食事療法の基本
たんぱく質は腎機能に合わせて制限します。必要なたんぱく質量の50〜60%は、良質なたんぱく質(卵や肉類、魚類など)からとるようにします。また、たんぱく質を効率的に利用するために、十分なエネルギーをとることも必要です。マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、植物油などの油脂類をうまく使用したり、春雨、マロニーといったでんぷん食品を利用しましょう。
食塩の制限は、1日6g以下とされていますが、浮腫や血圧によって異なってきます。ただし、必要以上に厳しく制限すると脱水症状になるので注意が必要です。
水分は病状に合わせて制限します。汁物、スープ類は避け、鍋物、お粥、雑炊は控えます。果物、豆腐、アルコールなど水分の多い食品も控えましょう。
血清カリウム値が高い場合は、コーヒーを1日1杯程度とし、そば茶、どくだみ茶は避けます。豆類や生の果物(バナナ、メロン、アボガドなど)も控えます。野菜を食べるときは、30分〜1時間流水にさらすか、ゆでこぼしてから使用しましょう(なお、ゆで汁は捨てるように)。
Q9
高齢でもタンパク制限をした方が良いのでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、71歳、男性
- 相談内容
- 糖尿病があり12年前からインスリンも使っています。糖尿病の主治医から腎臓病専門医を紹介してもらい、たんぱく制限の食事を指導されました。しかし、70歳以上の場合、タンパク制限をしない方が良いという情報も聞き、迷っています。
- 回答
-
ご質問は、低タンパク食療法に対する懸念があるということかと思いますが、あなたの指示されている制限は、理想体重あたり約0.8g/日という比較的穏健なタンパク制限ですので、経験ある主治医の管理の下で試してみる価値はあると考えます。
あなたの場合、推算糸球体ろ過値(eGFR)は、28.9ml/分で、CKDステージ分類ではステージ4の入り口に相当します。日本腎臓学会が発行している「CKD診療ガイドライン2009」では、この時期のCKDにおいて、タンパク制限が進行を抑制するのに有効としています。そのことは、70歳以上の患者さんにおいても、あてはまるものと考えられます。
ただ、低タンパク食事療法においては、タンパク質の制限を守ろうとするあまりにエネルギー(カロリー)摂取量が足りなくなることがあり、そうすると、体重が減ったり、かえってデータが悪化したりする可能性もあります。
ですので、主治医や管理栄養士の指導のもとで行うことが大切です。
Q10
エネルギー補助のために「芋けんぴ」を毎日食べても大丈夫ですか?
- タグ
- 食事療法
- 相談者
- 保存期患者、44歳、男性
- 相談内容
- 食事療法をしています。たんぱく質の摂取を抑えたら、急激にやせてしまいました。炒め物・揚げ物で補っていますが、やはりカロリーが不足がちになります。エネルギー不足を補うために芋けんぴを食べようと思うのですが、毎日食べても大丈夫でしょうか。
- 回答
-
腎臓病における低たんぱく食では、良質のたんぱく質である魚類、肉類、卵、大豆製品を摂取することが必要です。1日のたんぱく質量のなかで、60%は良質なたんぱく質を食べるようにしてください。それとあわせて、食事療法ではエネルギーの確保も大切ですので、炒め物、揚げ物で補うのはよいことだと思います。
さて、ご相談の「芋けんぴ」(いもかりんと)ですが、日本食品成分表でみると、100gあたり476kcal、たんぱく質1.4gです。たしかにエネルギーのわりに低たんぱくといえますが、カリウム含有量が550mgなので、血清カリウム値が高いようなら摂取しないほうがいいと思います。
ほかの市販菓子もそうですが、市販食品の栄養表示にはカリウム含有量が記載されていません。このようなことを解決してくれる食品として、腎臓病患者用特殊食品があります。低たんぱく質で高エネルギー、低カリウムの菓子類などもあり、インターネットや通信販売で取り寄せることができます。
Q11
減塩のために「コチジャン」はどうでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、49歳、男性
- 相談内容
- 降圧治療と食事制限をしています。コチジャンという調味料は結構いいと思うのですが、どうでしょうか。
- 回答
-
減塩が必要になった方の1日の食塩量は6g未満で、1食2gを目標とします。減塩のポイントは醤油などの調味料を控え、薄味を心がけることです。同時にたらこや干物などの塩蔵品を控えたり、かまぼこやハムなどの加工食品の利用頻度を減らします。また麺類の汁を残したり、汁物や漬物を控えることも重要です。
減塩を行うなかで救世主になるのが、酸味(レモン、すだち、お酢など)、香味野菜の香り(柚子、しそ、ハーブなど)、香辛料(唐辛子、コショウ、カレー粉など)です。コチジャンは韓国の辛子味噌で、いろいろな料理に活用できる香辛料ですが、塩分があるので使いすぎないようにしましょう。
ちなみに、小さじ1杯(5ml)に含まれる食塩量(g)は、醤油0.9、減塩醤油0.5、コチジャン0.4、オイスターソース0.6、豆板醤0.8、XO醤0.4、ナンプラー1.3、柚子こしょう1.1、粒マスタード0.2となっています。ただし、食塩量はメーカーによって若干異なりますので、あくまでも目安にしてください。
Q12
腎臓に良い食品やサプリはありますか?
- 相談者
- 保存期患者、43歳、男性
- 相談内容
- 1年半前に慢性糸球体腎炎 IgA腎症と診断をうけました。現在、2~3ヶ月に1回の通院で尿・血液検査をするのみで、服用している薬はなく経過観察中です。尿蛋白が陽性、尿潜血が陽性~2陽性、クレアチニンは0.77、eGFR(腎機能)は88.3です。食事は特に規制されておりませんが、タンパク質を多少控え減塩を心がけるようにしています。慢性糸球体腎炎 IgA腎症患者は、どのような点を気をつけたらよいのでしょうか?また積極的にとったほうが良い食品やサプリメントなどはありますか?また逆に避けたほうが良い食品はありますか?どうぞ宜しくお願い致します。
- 回答
-
最初に、文面から拝察する限り、現在のように無治療で定期的に臨床検査を行なって追跡するのが、おそらく最良の方針で、我が国の大部分の腎臓専門医が同じように診療するものと思われます。
IgA腎症と診断されたのであれば、腎生検をお受けになったことでしょう。腎生検の結果、腎組織の変化が軽度で、また文面にはありませんでしたが、血圧が良好(腎臓内科的には120台/70台までを指す)であれば、上述のように現在の方針が妥当でしょう。(ただしもし、腎生検上の組織変化が軽くないとか、血圧が上記以上である場合には、状況が変わって参ります。)
生活上の注意点ですが、生活習慣などの中で、腎臓病によくないことがわかっているものはいろいろあります。具体的には、喫煙、過度の飲酒(日本酒およそ2.5合以上)、運動不足、肥満やメタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などは、腎臓病一般に対してよくないことがわかっています。まとめて言えば、当たり前のようですが、「体によくないことは、腎臓にも悪い」と言って良さそうです。
現状(尿蛋白が少なめで腎機能は正常、おそらく血圧正常)では特別にお勧めできる食事療法は無いものと思われ、現在実施されている「蛋白と塩分少なめ」はとても妥当なものと考えます。腎臓病の食事療法は、他のいろいろな病気に対する食事療法と同じく、「○○を食べていればよい」とか「××を食べなければよい」というような特定の食品はありません。バランスよく、太りすぎ・やせすぎを避けて、と言うくらいでしょうか。
また腎臓病、または慢性糸球体腎炎に有効であると証明されたサプリメントは、私の知る限りありません。
Q13
キノコ類のたんぱく質は体の中に入ると吸収されないというのは本当ですか?
- タグ
- 食事療法
- 相談者
- 保存期患者、60歳、女性
- 相談内容
-
茸類にもすべてたんぱく質が含まれますが、体の中に入ると吸収されないと聞いたことがあります。
本当に吸収されないのでしょうか? 茸は良く食べるものですので、宜しくご指示お願い致します。
- 回答
- 食物繊維を含んでいる野菜・キノコ類・海藻類は吸収されにくいと認識しております。 多く取ることによりカリウム等が上がる場合もありますので、普通量を他の食品とバランスよく取ることをお勧めします。
Q14
87歳の父。クレアチニンが少し高いですが、食事も好きなものをやめさせるべきでしょうか?
- 相談者
- 保存期、87歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
父親87歳で高血圧あり、クレアチニン1.29eGFR40.7です。
専門医の診察をうけたほうが よいのでしょうが 少しマイペース病(認知?)のため 内科医に高血圧の薬もらいに行く以外 いやがります。娘として 低たんぱく食を考えているのですが 好きなものを完全にやめないといけないのでしょうか?卵好きでお饅頭好きで小麦粉もタンパクが高いようです。
今は米を減タンパク食用にかえて 肉魚ほどほどとかんがえていますが、どうでしょうか?
- 回答
-
87年間の食生活を変えるといのは相当難しいことです。
クレアチニン1.29eGFR40.7とのことですので、まだ少し余裕があります。徐々に理想とする形に誘導してあげて下さい。まずは、今は米を減タンパク食用にかえるという方法は賢明です。
できれば、デンプン米に変えてください。それだけでも相当の低蛋白食事療法になります。
Q15
腎不全と言われ、果物を食べてはいけないと言われました。
- 相談者
- 保存期、75歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 父が病院で腎不全と言われました。現在は、薬と食事療法を行っています。医者からは、果物は食べてはいけないと言われましたが、腎不全の方は、果物は、本当に食べてはいけないのでしょうか?後、食べてはいけないものはありますか?
- 回答
-
お父様が、腎不全といわれたとのこと、さぞご心配のこととお察しいたします。
この文章だけではどの程度の腎不全であるか見当がつきませんが、果物を食べないようにとの指導があったということは、カリウムの値が高いのではないかと推察いたします。
食べ物の中に含まれるカリウムは、通常、一旦体に吸収された後、不要な分を尿として排泄しますが、腎臓が悪くなると、うまく排泄できず、体の中に蓄積されてしまいます。
カリウムが体に溜りすぎると、不整脈が出たり、最悪の場合は心不全をおこしたりします。
そこで、透析直前の保存期の方など、腎臓が悪く、カリウムを正常に排泄できなくなってしまった方の場合は、食事からのカリウムの摂取を制限することが必要となります。 果物には、カリウムが多く含まれるため、食べないようにと指導があったのではないかと思います。
野菜にもカリウムは多く含まれていますが、水に溶ける性質がありますので、生で食べず、ゆでこぼしたり、水にさらしたりして、カリウムを抑える工夫をしてください。 それでも、カリウムの高い状態が続く場合は、カリウムを吸着する薬が処方されることもあります。
「なぜ制限する必要があるのか?」を理解することは、食事療法を行う上で、とても大切ですので、ご不明なことがあれば、是非、主治医や栄養士さんに聞いてみてください。
どうぞお大事に。
Q17
自己流の食事制限を続けています。やめた方が良いでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、82歳、女性
- 相談内容
-
腎硬化症と診断されました。定期的に検査をしていますが、血液検査の数値が悪く、透析に発展するのではと心配しています。現在、血清クレアチニンは1.8前後です。
主治医の診断は、透析にはならない、食事制限もしないでよいという診断です。
食事制限は必要なく透析の恐れはないのでしょうか?自己流の食生活を続けていますがやめたほうがよいでしょうか?(一日蛋白質30g以内という食事をしている)
- 回答
-
女性、年令、Cr値より現在の推定糸球体ろ過量を求めると、約21min/ml/1.73㎡となります。約1/3程度の腎機能障害です。会社に例えるなら、定員100名の社員が約30名に減少している状態を想像してみてください。その会社はどうなると思いますか?会社にやってくる仕事量が変わらないとすれば、社員の数が1/3ですから、一人あたりの負担量は3倍に増加しますね。そんな過剰状態が長く続くと、社員は過労で病気に倒れるか、他社に転職するでしょう。ますます、社員は減少し、遂には会社が存続できないほどになりますね。
一般に腎機能が1/3以下に低下すると、このような理屈で進行性に腎機能障害が進みます。今のあなたの腎機能は、丁度、そのギリギリの付近といえます。将来的に透析に絶対進まないとは言えないところでしょう。例えば、何か大きな病気を合併すると、痛んだ腎臓には大きな負担となって機能低下が生ずるかもしれません。
今できることで大切なことは二つあります。一つは血圧を厳しくコントロールすることです。家庭血圧が良い値になっているかどうか、1日3回測定して確認しておくことです(もちろん主治医の先生にお伝えすること)。会社の例えで言えば、作業環境を良好に維持することに該当します。残存腎機能への影響が一番大きいと思います。
第二には、社員の仕事量を減らすことです。腎臓の仕事は多々ありますが、タンパク質の壊れたもの(=尿毒素)を体外に排泄することが主な仕事です。ですから、適切にタンパク制限を行えば、社員の過剰負担を軽減できます。低タンパク食療法は有効です。ただし、注意が必要です。タンパク質を制限することに気を取られて、カロリー摂取量が減ってはいけません。十分量のカロリー確保はとても大切です。どの程度のタンパク制限を行うべきかは、個人差が大きく、食事習慣や、合併症、腎不全の原因疾患や、その方の活動量など、総合的に判断する必要があります。今のあなたに適切な栄養処方箋がどのくらいなのか具体的にご返事することは控えたいと思います。主治医の先生にご相談してみてください。血圧と食事療法を上手に管理できれば、透析へのリスクは随分と減るかもしれません。ただし、低タンパク食療法は高度に専門的な治療であり、もし、主治医の先生があまり詳しくないのであれば、良い先生をご紹介いただいてはいかがでしょうか。
Q7
父が透析一歩手前と言われました。透析になったら生活面で何に気を付ければ良いでしょう?
- 相談者
- 保存期、76歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 私の父のことなのですが、腎臓病がひどくなり担当の医師から透析一歩手前だと言われたそうです。透析になったらどんなことに気をつけたらいいですか?生活面での注意や進んでしたらいいことなどあれば教えてください。また、食事についても教えてください。塩分とか医師は全く使わない方がいいと母には言ったそうです。味のつけ方とかアドバイスお願いします。
- 回答
-
腎臓病がひどくなり、透析の一歩手前と言われたとのことで、透析に入られてからの、生活管理面、食事療法などに関してのご質問と、拝見いたしました。また一部のご質問は現在の状況に関しての内容と拝見いたしました。
透析にはいったらどのようなことに気をつければよいかに関してですが、透析を始める時は、入院して開始しますが、透析治療で安定すると自宅に近い透析施設への通院透析治療となります。週3回通院して、1回4~5時間透析を行う治療が継続されます。
このような状態になりますと、体の活動性がよくなります。透析日以外の日は、積極的に運動をしたり、生活を楽しむことが可能となります。食事療法は、透析にはいっても、必要です。透析にはいっても、100%腎臓の機能を補充するわけではありませんから、透析と次の透析までの間の体重管理や、血液の老廃物の増加や、カリウムなどを適正に管理するために、塩分制限、蛋白制限、水分制限、カリウム制限などの基本は必要です。
保存的管理(自分の腎臓の働きで、出来るだけ透析を遅らせるための管理)の時期での蛋白制限、塩分制限などの食事制限は、透析療法にはいりますと、やや緩和されます。
医師から塩分は全く使わない方がよいと、いわれたとのことですが、現在は、透析をせずに、ご自分の腎臓の働きを温存するために、塩分を少なくするよう、アドバイスをされていることと判断されます。この時期での塩分制限に関しては、一日5~6gくらいが推奨されます。味噌汁、漬物、つくだに、のりの瓶詰などをやめて、食事の味付けを薄味にすることで、塩分は1日6gくらいとなります。また、練り製品(かまぼこ、ハムなど)は塩分が多くなります。味付けには酢や、からし などを使って工夫されるのがよいでしょう。
以上 患者さんの具体的な状態がわかりませんので、一般的な回答をさせていただきました。お父上のことで今後、いろいろなご心配なことありましたら、また具体的な今後の治療に関してなどは、主治医の先生ともよく御相談されお話を聞いて、ご家族としてご理解される機会をつくられるとよいかと思います。
Q7
セカンドオピニオンを受けたほうがよいでしょうか
- タグ
- 食事療法
- 相談者
- 78歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
父のことで相談です。
この半年で、クレアチニンが1.8から2.1になり、腎臓内科の先生を紹介されました。 腎臓病の本も出されている先生で、とても心強く思っておりましたところ、当日、急遽「専門研修医の先生」に変更されてしまいました。
先生からは、「塩分を控え、水分を多く摂り、外食もたまには良いでしょう」また、今食べている低たんぱく米も「普通のお米でも大丈夫」とのご指導でした。
父は、お米や美味しいものを食べることが大好きなので、あまり制限しなくてよいので あればそれに越したことはないのですが、これまでとほぼ変わらない心構えで本当によいのでしょうか。娘としてはできるだけ保存期を長くして、一日でも透析を遅らせたいと思っているので、悩んでおります。
78歳という父の年齢で、この数値では細かい制限は必要ないのでしょうか。
セカンドオピニオンを考えたほうがよいのか、研修医の先生のご指導のままでよいのかアドバイスをお願いします。
- 回答
- 自分が納得できなければ、積極的にセカンドオピニオンを受けましょう。