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「末期腎不全」に関する検索結果
Q1
クレアチニンが急にあがりショックを受けています
- 相談者
- 保存期患者、58歳、女性
- 相談内容
- 20年前にIgA腎症と診断され、現在薬物療法と食事療法を行っています。最近急にクレアチニン値が3.2に上がり、ショックを受けています。どのような原因が考えられるでしょうか?また、これ以上悪くならないようにするにはどうすればよいでしょうか。
- 回答
-
IgA腎症は少しずつ進行する腎炎と考えられていますが、20年の間に、10人のうち4人は透析が必要になっています。その点あなたは、20年が経過しても透析が必要なレベルになっていないのは、薬物療法と食事療法の効果だと思います。
腎機能に影響を与える要因、つまり、風邪などの感染症、夏場の脱水症状、非ステロイド消炎鎮痛薬の服薬などによって、クレアチニン値が急に上がる場合もあります。また、尿タンパクが多い方、血圧が高い方は進行が早いようです。適切な食事管理(たんぱく質の制限、適切なエネルギーの摂取、塩分制限)と血圧のコントロールを引き続き行ってください。
またクレアチニンおよび尿素窒素が上昇してきたときは、尿毒素を吸着してクレアチニンの上昇を抑える活性炭の吸着薬(クレメジンなど)の服用により上昇が抑えられることがあります。また腎性貧血が考えられるときは、エリスロポエチンの皮下注射薬などもありますので、貧血を改善しておくとよいと思います。血液が酸性に傾いた場合は、重曹などでPHを調整しておいたほうがよいでしょう。主治医とよく相談してください。
Q4
日課のウォーキングを続けても大丈夫でしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、78歳、男性
- 相談内容
- 4年ほど前から食事療法と薬物療法を続けています。また運動も行い、体重やBMIも改善しています。しかし、2ヶ月程前から浮腫がひどくなってきました。この状態でも日課のウオーキング(1日8km、1時間20分)を続けても大丈夫でしょうか。
- 回答
- 日本腎臓学会では腎機能に合わせた生活指導区分を提示しています。あなたのデータから、現在の推定糸球体ろ過値は14.07ml/分となり、慢性腎臓病のステージ5に相当します。日本腎臓学会の指針では、運動制限は中等度〜高度制限になると考えられます。これにあてはめると、1時間20分は長すぎるので、30分程度をおすすめします。長時間の歩行で静脈環流が関係して、下肢の浮腫を助長している可能性もあります。
Q9
腎臓病の母の運動不足が心配です。
- 相談者
- 保存期患者、73歳、女性
- 相談内容
- 母についての相談です。クレアチニン値3.56で薬と食事療法を行っています。
寒い、疲れると言って殆ど外出せず、運動不足が心配です。外出すると足がむくむといい、ますます家に引きこもってしまいます。
寒さを人一倍感じるのは、腎臓病のせいでしょうか?食事療法のせいでしょうか?(蛋白摂取量が約20g/日)また、足がむくむのは腎機能が低下しているためでしょうか?
運動不足にどのように対処すれば良いのか、アドバイスをお願いします。
- 回答
- ご質問にお答えする前に患者さんの腎機能について説明させてください。
多くの薬剤(主として降圧薬)を服用し、厳格な食事療法(蛋白制限)をされていて、現在のクレアチニンが3.56mg/dLということですので、73歳の日本女性の腎機能としては推算GFR(糸球体濾過量)が9.5mL/min/1.73m2程度となります。推算GFRは、15mL/min/1.73m2未満で治療によっても腎不全症状が改善されなければ透析導入を考慮し、6mL/min/1.73m2未満となれば症状がなくても透析導入が推奨されています。
すなわち、この患者さんの慢性腎不全は、近い将来に透析導入の準備が必要であるとともに、腎不全に伴う合併症を伴いやすくなっている状態と考えられます。透析導入前の腎不全(保存期腎不全)の時期に起こる合併症には、腎性貧血、心不全、甲状腺機能低下症など多くの疾患があります。貧血は動悸、息切れ、全身倦怠感、頭痛、狭心症などの症状がみられ、心不全でも動悸、息切れ、呼吸困難、浮腫などが認められ、いずれの場合も身体活動や日常生活が制限されます。また、甲状腺機能低下症では、無気力、易疲労感、寒がり、動作緩慢、体重増加、便秘、浮腫、高コレステロール血症などの症状が出現します。そして、保存期腎不全期にはこれらの合併症が同時に認められることもあります。
体重、血圧、貧血の程度、糖尿病の有無など詳細なことはわかりませんので断言はできませんが、この患者さんは、運動不足というよりも運動しにくい病状であるように推察いたします。
慢性腎不全、腎性貧血、心機能、甲状腺機能検査など総合的評価が必要ですので、必ず主治医の先生に相談してください。
Q8
具体的栄養指導がなく戸惑っています
- 相談者
- 保存期患者の家族、40代、女性
- 相談内容
- 母(78歳)は主治医からもうすこしで透析導入といわれています。しかし、とくに何のアドバイスもありません。栄養士に食事療法のことを相談しても、はかりではかる必要はないといわれ、読んだ本との違いに戸惑っています。
- 回答
-
腎臓の働きや症状に応じて、たんぱく質、エネルギー、食塩、水分、カリウム等の摂取量がきまります。それらの摂取量を算出するためには標準体重が必要になります。1日のエネルギー量は肥満の程度や血糖のコントロールの状態などでも異なってきますし、たんぱく質の摂取量は腎機能によっても異なります。
やはり、細やかな食事指導を受けることが必要になりますので、もう一度栄養相談室にいき、1日の栄養量、食品構成、塩分量、特殊食品の使用方法などを聞いてみてはいかがでしょうか。また、腎臓教室などを他院の患者さんに開放している病院もありますので、参加してみるとよいと思います。
*食事療法の基本
たんぱく質は腎機能に合わせて制限します。必要なたんぱく質量の50〜60%は、良質なたんぱく質(卵や肉類、魚類など)からとるようにします。また、たんぱく質を効率的に利用するために、十分なエネルギーをとることも必要です。マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、植物油などの油脂類をうまく使用したり、春雨、マロニーといったでんぷん食品を利用しましょう。
食塩の制限は、1日6g以下とされていますが、浮腫や血圧によって異なってきます。ただし、必要以上に厳しく制限すると脱水症状になるので注意が必要です。
水分は病状に合わせて制限します。汁物、スープ類は避け、鍋物、お粥、雑炊は控えます。果物、豆腐、アルコールなど水分の多い食品も控えましょう。
血清カリウム値が高い場合は、コーヒーを1日1杯程度とし、そば茶、どくだみ茶は避けます。豆類や生の果物(バナナ、メロン、アボガドなど)も控えます。野菜を食べるときは、30分〜1時間流水にさらすか、ゆでこぼしてから使用しましょう(なお、ゆで汁は捨てるように)。
Q1
導入が遅くなると死期を早めるのでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、82歳、男性
- 相談内容
- クレアチニンの値がここ半年で急にあがり、主治医からは1〜2年のうちに透析に入ってもおかしくないと診断されています。現在は通常の生活が続けられていますし、今後も努力を続けてできるだけ透析を避け、普通の生活ができないようになったら導入したいと考えていますが、導入が遅くなると死期を早めてしまうのでしょうか。どんな時に決断すべきか教えてください。
- 回答
-
現在の数値から、あなたは慢性腎臓病のステージ5まで進行していますね。ステージ5とは透析直前か透析を導入している方を意味します。あなたの推定糸球体ろ過値(尿をつくる働き)は6.52ml/分で、通常8.0ml/分以下は透析開始を推奨する値とされています。
そのほかに以前から用いられている透析開始基準があります。それは検査結果、臨床症状、日常生活障害度を点数で表わし、合計が60点以上であれば透析開始をすすめるというものです。たとえば、クレアチニン値が5.0より大きい場合は20点、年齢が60より上だと10点、臨床症状が1つ加わるにつれてプラス10点、というふうに加算されていくのです。
いずれにしろ、あなたの数値からは、透析の準備に入っておく必要があると判断します。血液透析を選択するなら、シャントを、腹膜透析(CAPDやAPD)を選択するなら、スマップ法でカテーテル挿入を早目にしておけば、スムーズに透析に入ることができます。また、ステージ5になると急激に増悪する場合もあるので、2週間に一度は外来受診して、定期的に検査を受けることをおすすめします。
日本腎臓学会および透析医学会が作成した小冊子(DVD付き)や当協会作成の冊子「腎不全とその治療法」などを参考にして早目の準備をお勧めします。
Q2
いきなり腎不全で透析が必要と言われ、家族で毎日悩んでいます。
- 相談者
- 保存期患者、41歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 主人は1月に高血圧・だるいなどの自覚症状があり受診したところ腎不全との診断でいきなりいずれ透析が必要だと言われ、シャント形成手術をしました。医師からの詳しい説明もほとんどなく家族でこれからどうしていいものか毎日悩んでいます。今の数値はクレアチニン6.62尿素窒素73.5です。食事も減塩に努めていますが共働きの為時間をかけれないので献立も思いつかず悩んでいます。子供は中.高生で育ちざかり。20年以上前から潰瘍性大腸炎を患っています。
- 回答
-
腎臓の機能低下は多くの場合に、余りはっきりした自覚症状無しで徐々に進行します。このため、明確な症状が出てきて医療機関を受診した時には、想像以上に腎機能低下が進んでしまっていることがよくあります。定期健診を毎年受けておられたのであれば、尿蛋白の陽性、血圧の上昇、貧血、これらに伴う自覚症にご本人が敏感であってほしかったと思います。
急いでシャント作製手術をお受けになった程ですから、腎機能は大まかに申して正常時の10分の1にまで低下していたのだと推測いたします。
ご主人と貴方が直ちに行うべきことは以下の事項です:
1)慢性腎不全の原因は何なのか? 慢性糸球体腎炎か、糖尿性腎不全?など
2)食生活の基本の学習(医師及び栄養士からの指導)
3)処方される薬剤の内容と作用(効果):何故内服するのか?
4)患者さんの血液透析スケジュールを考慮した家族全体の生活パターンの再構築
(考え直し)
5)透析を開始したことによる潰瘍性大腸炎への影響について担当医に尋ねる
6)腎移植の可能性の追求
いずれの項目も簡単には解決策が出ないかもしれませんが、全国で約31万人の人々が維持透析で命を永らえ、その人なりの社会復帰を果たしています。最初の1年の苦難をどうか歯を食いしばって進めば、道は自ずと開けると信じます。
Q3
シャントも作りましたが、透析開始を1日でものばしたいのですが。
- 相談者
- 保存期患者、73歳、女性
- 相談内容
- 15年程前から腎臓病と言われていましたが、3ヶ月前に主治医からそろそろ透析の準備をするようにいわれてシャントをつくりました。しかし、通院も大変ですし、できるだけ透析をしないで1日でもこのままでいたいと思っています。1日でものばしたら良いですよという人と、早めに透析をはじめた方が良い人もいます。実際はどうなのでしょうか?
- 回答
-
あなたの数値から、あなたの腎臓は本来の10%程度しか働くことができないという状態です。その10%が猛烈に頑張っているわけですが、今後もクレアチニン値はどんどん上がり、ある日突然倒れて、緊急透析ということも考えられます。
透析導入を先延ばしにしたり、突然倒れて病院で腎不全と診断され緊急透析となる方が透析導入の方の25%もいます。こういう方は、適切な時期に導入した方に比べて、予後が悪いのが実情です。主治医の指示に従い、適切な時期に導入されることをおすすめします。
なお、週3回の通院が大変でしたら、自宅で行う腹膜透析や在宅血液透析といった方法もありますので、主治医に相談されてはいかがでしょうか。
Q4
多発性嚢胞腎ですが、腹膜透析はできないのでしょうか?
- 相談者
- 保存期、51歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
-
主人(51歳)が、多発性嚢胞腎で経過観察中です。高血圧もあり痛風も治療中です。
血清クレアチニン値が7.0となり、透析について考えるように言われています。
腹膜透析を検討していますが、多発性嚢胞腎の場合、できないのでしょうか?
- 回答
-
多発性嚢胞腎の患者さんに腹膜透析は大丈夫か?という質問ですね。
答えは「大丈夫です」。
多発性嚢胞腎は遺伝性の疾患で、加齢に伴い腎臓と肝臓が腫大し機能が低下します。ただし、尿量は末期まで保てるのが普通です。
したがって、腹膜透析は安定して行えるのですが、大きな腎臓と肝臓のために腹膜透析を行った後に膨満感を若干訴える患者さんもいます。しかし膨満感はすぐになれて気にならなくなります。問題なく継続できる場合がほとんどです。
さらに尿量が末期まで保てる事から、腹膜透析を長期にわたって継続できる場合が多く、むしろ腹膜透析に向いている疾患と言えます。私も5名以上の多発性嚢胞腎患者さんで腹膜透析を行っていますが、全員何の問題もなく継続できています。多くの先生は腹膜透析の経験がないために、慎重に対応する先生が多いようです。
患者さんのお近くに、腹膜透析を広く行っている先生がいるのであれば、一度診察を受けてみることをおすすめします。血液透析だけをやっている先生では、腹膜透析を行う事は難しいかもしれません。
多発性嚢胞腎での腹膜透析はまず問題なく行えます。カテーテルの挿入等も、なれている施設であれば問題ありません。心配せず、専門の先生に一度きちんと相談してみることです。
Q5
血液透析の準備のためにシャントをつくりましたが、太くなりません。
- 相談者
- 保存期患者、64歳、女性
- 相談内容
- 糖尿病があり、血清クレアチニン値が7近くなりました。そろそろ透析の準備をと言われ、右手に内シャントを造りました。しかし、血管が太くならず、3か月後に左手に内シャントを造りました。それから2ヶ月経ちますが、まだ太くなりません。ボールを握る運動はしています。何か良い方法はないでしょうか?八方ふさがりです。どんな小さなことでも良いので教えてください。
- 回答
-
データならびに経過を拝見しました。データ的にはそろそろ透析を考える必要がありますね。
糖尿病の方ですと、動脈が細く血流が悪い場合など、シャントの発育が悪い方も多いようです。
シャント血流は血圧と体液量に依存しますので、あまり血圧を下げすぎない、また脱水などは注意が必要です。若干水分を摂られた方が、シャントは良好になります。以下の点にも注意しましょう。
・シャントを発育させるために、ボール握りなどは繰り返すこと。
・シャント側の手に負担を掛けないこと、荷物をもったり、腕時計などもさけましょう。
・寝る時は体の下にならないような注意が必要です。
また、血流をよくするような抗血小板薬なども効果は期待できます。
いろいろやっても穿刺が困難な場合には、無理をせずに作り直す事も考えましょう。
長期に使うシャントです。早めに良いシャントに作り直すのも必要かもしれません。
主治医の先生と良く相談しましょう。
どうしてもシャントができない場合、人工血管を使う手もあります。
別な方法として腹膜透析を考えてもよいかもしれません。
PDファーストと言って、まず腹膜透析を行う方法も広く認められています。
血糖管理がよいのであれば、糖尿病の方でもまったく問題なく行うことができます。
いろいろな方法があります。心配することはありません。
主治医の先生と良く相談されて、最適な方法を選択してください。
Q6
食欲もあり体調もふつうですが、心臓が心配と透析をすすめられています
- 相談者
- 保存期患者、78歳、男性
- 相談内容
- 5年前から、薬物療法と食事療法を行っています。現在の検査値は、血清クレアチニン7.3、BUN73、ヘモグロビン6.3です。今入院していて透析の準備の手術をしました。食欲もあり体調はふつうです。心臓が心配なので透析をすすめられているのですが迷っています。
- 回答
-
相談内容拝見しました。クレアチニン、BUNの値に比べて貧血が強いですね。
貧血は、心臓病の発症や腎障害の進展の重要な危険因子です。
腎不全に合併した貧血の治療はエリスロポエチンの使用、鉄剤の使用、その他の貧血の原因があればその治療を行い、Hb10g/dL以上を保つようにするのが一般的な治療です。
もし、これらの治療を行っても貧血が改善しないようであれば、腎不全が影響している可能性が高いので、透析導入を行うことになります。
そのような理由から、透析導入の時期と判断されたのだと思います。
透析方法には血液透析と腹膜透析の二つがあります。その他に腎臓移植もありますが、腎臓を提供してくれる方がいなければ、透析を選ぶ事になります。
血液透析と比較して腹膜透析は緩徐な透析方法です。また持続的に透析を行うために、身体に優しい透析方法と言えます。そのために、自分の腎臓が長く維持されます(透析導入後も自分の腎臓が生かせます)。また、心臓にも優しい透析であり、狭心症、高血圧などの心臓病が心配な患者さんに適した透析方法です。あと。自分で行う透析方法(自己管理が必要です)なので、QOL(生活の質)が良好なのも特徴です。
最近の考え方では、自分の腎臓を生かす為に、まず腹膜透析を行い、自分の尿が出なくなった時期に血液透析に移行するPDファーストの考え方も広まっています。もし、心臓病に不安があるようであれば、腹膜透析を選択するのも一つの方法です。
腹膜透析は満足度の高い透析方法です。ただし、それぞれの透析方法には特徴があり、適した患者さん、適さない患者さんがある事も事実なので、ご質問された方が腹膜透析に適しているのかは、この相談内容だけでは十分わかりません。もし興味があれば、主治医の先生に腹膜透析についても聞いてみてはいかがでしょうか。
Q7
父が透析一歩手前と言われました。透析になったら生活面で何に気を付ければ良いでしょう?
- 相談者
- 保存期、76歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 私の父のことなのですが、腎臓病がひどくなり担当の医師から透析一歩手前だと言われたそうです。透析になったらどんなことに気をつけたらいいですか?生活面での注意や進んでしたらいいことなどあれば教えてください。また、食事についても教えてください。塩分とか医師は全く使わない方がいいと母には言ったそうです。味のつけ方とかアドバイスお願いします。
- 回答
-
腎臓病がひどくなり、透析の一歩手前と言われたとのことで、透析に入られてからの、生活管理面、食事療法などに関してのご質問と、拝見いたしました。また一部のご質問は現在の状況に関しての内容と拝見いたしました。
透析にはいったらどのようなことに気をつければよいかに関してですが、透析を始める時は、入院して開始しますが、透析治療で安定すると自宅に近い透析施設への通院透析治療となります。週3回通院して、1回4~5時間透析を行う治療が継続されます。
このような状態になりますと、体の活動性がよくなります。透析日以外の日は、積極的に運動をしたり、生活を楽しむことが可能となります。食事療法は、透析にはいっても、必要です。透析にはいっても、100%腎臓の機能を補充するわけではありませんから、透析と次の透析までの間の体重管理や、血液の老廃物の増加や、カリウムなどを適正に管理するために、塩分制限、蛋白制限、水分制限、カリウム制限などの基本は必要です。
保存的管理(自分の腎臓の働きで、出来るだけ透析を遅らせるための管理)の時期での蛋白制限、塩分制限などの食事制限は、透析療法にはいりますと、やや緩和されます。
医師から塩分は全く使わない方がよいと、いわれたとのことですが、現在は、透析をせずに、ご自分の腎臓の働きを温存するために、塩分を少なくするよう、アドバイスをされていることと判断されます。この時期での塩分制限に関しては、一日5~6gくらいが推奨されます。味噌汁、漬物、つくだに、のりの瓶詰などをやめて、食事の味付けを薄味にすることで、塩分は1日6gくらいとなります。また、練り製品(かまぼこ、ハムなど)は塩分が多くなります。味付けには酢や、からし などを使って工夫されるのがよいでしょう。
以上 患者さんの具体的な状態がわかりませんので、一般的な回答をさせていただきました。お父上のことで今後、いろいろなご心配なことありましたら、また具体的な今後の治療に関してなどは、主治医の先生ともよく御相談されお話を聞いて、ご家族としてご理解される機会をつくられるとよいかと思います。
Q4
入浴は可能ですか。
- 回答
- 透析をした日は、入浴などで針を刺した部分を濡らさない方が良いでしょう。常に針を刺した部分の清潔を保つように心がけて下さい。
>>血液透析(HD)について、より詳しい情報はこちら
Q8
おなかの中(腹膜腔といいます)に透析液を入れると、どんな感じがしますか。
- 回答
- 成人の場合、通常2リットルの透析液を入れます。CAPDを始めたばかりの頃は少しお腹が重たいような感じやお腹が張るような感じがある患者さんもいらっしゃいますが、すぐに慣れる場合が多いようです。
>>腹膜透析(PD)について、より詳しい情報はこちら
Q12
腹膜透析の実情を知りたい
- 相談者
- 保存期患者、58歳、男性
- 相談内容
- 主治医から腹膜透析をすすめられていますが、腹膜透析をされている方の実情を知りたい。日常不便なことはないのでしょうか。
- 回答
-
主治医から腹膜透析をすすめられたということは、あなたは衛生面の管理や器械の操作ができると判断されたうえでのことだと思います。また、残存腎機能の保持や生活面などから、あなたにとってメリットがあると思われてすすめられたのではないでしょうか。
しかし、血液透析と腹膜透析、どちらも一長一短あります。それぞれの治療法の小冊子やビデオを見たり、主治医や看護師に、腹膜透析をしている方を紹介してもらい、実際にお話を聞いてみてはいかがでしょうか。また、日常生活の中で、不便を感じそうな点・不安な点は看護師に相談してみてください。
腹膜透析といっても、1日に3〜4回バッグ交換をするCAPDと、夜寝ている間に行うAPDとがあります。CAPDをしている方のなかには、透析液の交換について「1日3回の食事に4回の食事が増えたと考え、日常生活の一部にしています」と明るく話してくださる方もいますが、日常生活の中で昼間の透析液の交換が不便なのでAPDを選んだという方もいます。夜中の小さな器械音が気になるという方には向かないでしょう。
血液透析も含め、どの治療法が自分に合っているか、しっかり見極めて導入なさってください。
Q15
APDを導入しても旅行できるのでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、48歳、男性
- 相談内容
- 透析導入をすすめられていますが、定年までは夜間の腹膜透析APDを希望しています。APD導入後、旅行することはできるのでしょうか。
- 回答
-
多くの腹膜透析患者さんが旅行や出張に出かけています。旅先に透析液や透析に必要なものを持参するか、前もって送っておき、現地で治療を行います。透析液の交換は、ホテルや旅館、駅・空港・パーキングエリア・遊園地などの救護室を借りても行えますので、事前に交換場所を調べておくと安心です。APDの場合には、車での旅行であれば、自宅の機械をもっていくことも可能ですし、場所によっては、事前に主治医を通じて旅行用の機械を借りる(有料)ことも出来るようです。また、旅行の間だけ、APDからCAPDに変更する方もいらっしゃいます。
旅先では、いつもと違う環境でのバッグ交換になりますので、腹膜炎にならないように、清潔にはくれぐらも気をつけて、旅行を楽しんでください。