検索結果
「軽度低下」に関する検索結果
Q9
腎臓のはたらき:軽度低下とはどのくらい?
- タグ
- 軽度低下
- 回答
-
軽い腎障害はありますが、腎臓の働きを表すeGFRは60~89、健康なときと比べ腎臓の60~89%が機能しておりほぼ正常といえます。CKDステージ2にあたります。
あなたの腎臓はどのくらい働いている?
日本腎臓学会のWebサイトでは、血液検査のクレアチニン値と年齢・性別から簡単に自分の腎臓の働き(eGFR)が分かります。
この時期では自覚症状はほとんどありませんから、ほとんどが健康診断などで発見されます。きちんと健康管理をして危険因子を減らすことで腎機能が回復することもある非常に大切な時期といえます。
腎臓専門医への受診が勧められるケースとまだ大丈夫というケースがありますが、まず腎臓の働きが弱っている原因を調べ、原因ごとの対応をするべきでしょう。尿検査でたんぱく尿と血尿が両方でている場合は腎臓専門医を受診しましょう。糖尿病や高血圧、腎炎がある人で微量アルブミン尿やたんぱく尿がある場合も専門医を受診。糸球体腎炎の場合は腎臓専門医による精密検査が必要となります。基本的な治療は、禁煙、減量、運動、食事での塩分とカロリー制限など、生活習慣を改善することです。たんぱく尿が多い場合はたんぱく質制限もおこないます。必要があれば管理栄養士による栄養指導も受けておいた方がいいでしょう。食事だけで改善されない場合は血圧管理、脂質管理、糖尿病管理のための薬物療法もおこなわれます。
Q6
1時間の速歩は、腎臓病で控えるべき「激しい運動」にあたりますか?
- 相談者
- 保存期患者、68歳、男性
- 相談内容
- 健康診断でGFRが51であることが分かりました。腎臓病では激しい運動は控えるようにとのことですが、1時間の速歩はそれに当たるでしょうか。 今まで1週間に平均4日位やってきました。止める方が良いのでしょうか。 また、治療を受けるべきでしょうか。クレアチニン値は1前後、BUN20~24、尿たんぱくは陰性血圧はおよそ110/68程度です。
- 回答
- この経過からは糖尿病性腎症は考えにくく、腎機能の低下は加齢の影響、あるいは腎硬化症でしょうか?あと筋肉質の男性の方などではCrは高めに出ることもあります。
原則糖尿病などの患者さんで、蛋白尿が出ている場合のGFR51(CKDでステージ3)であれば、日常生活や普通の仕事は問題ありません。
この患者さんのように、加齢の影響、あるいは蛋白尿も見られない患者さんであれば、日常生活に制限をつける必要はありません。当然暴飲暴食、さらに過激な運動は控えるべきですが、日常の散歩や日常業務、1時間程度の散歩は問題ないと思います。無理のない範囲での運動であれば問題はないと考えます。
ただし原因疾患などを含めて、一度、腎臓内科の先生にも相談されることは必要だと思います。減塩につとめ、夜ふかし、暴飲暴食などは謹んでください。
Q7
かかりつけ医で腎臓機能の低下を指摘されました。腎臓内科を受診すべきでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、52歳、男性
- 相談内容
- 高血圧治療を受けている医院で、血液・尿検査の結果、腎臓機能が若干低下していると言われました。
検査値は、血清クレアチニン0.98、BUN14.3、TP7.2、Alb4.4、UA4.9ですが,腎臓内科等の受診は必要ないでしょうか?何年程度で進行するものでしょうか? 血圧の薬としては、ミカルディスを飲んでいます。
- 回答
- 腎機能が若干低下しているとの指摘を受けたとのことですが、血清クレアチニン(Cr)0.98、そして年齢52歳、から計算した腎機能(eGFRといいます)は eGFR:63.8ml/minです。
これは腎機能がおよそ64%であると言うことです。
腎機能が60%以上で、かつ尿所見、蛋白尿がなければ、腎臓病ではなく、特別な食事療法や薬は必要ありません。
しかし今後血清クレアチニンの上昇(eGFRが50ml/min以下)や尿の蛋白尿が出現してきたら、腎機能が低下していると考えます。貴方の場合、おそらく高血圧が原因と言うことでしょう。
腎機能は血清クレアチニン値と年齢の2つの要素から計算できます。これは専門医でなくてもできますので、尿検査と一緒に時々(年2回程度)調べてください。
腎機能の程度を考えると、腎臓内科の受診は現在のところ必要ありません。
ただし、高血圧はコントロール不十分が長期(20-30年)に渡って続くと、合併症 例えば動脈硬化、狭心症 脳梗塞などが将来発症する可能性があり、また腎硬化症という腎臓病の合併症(透析に至る)も発症する可能性があります。従って、薬の服用に加えて、食事療法(塩分制限7g以下に、また野菜と魚を多くとる、鳥豚牛、アルコールは多くとらない)、運動療法(週3日以上の40分の有酸素運動)を行って、内臓肥満防止と血圧を130/80以下にコントロールしてください。
現在服用しているミカルディスは腎保護作用がある降圧剤です。
現在の貴方の体に不安を持つ必要はありませんが、将来の合併症を防ぐには、先述した内容を日々実行する、決意と努力が必要です。かんばってください。
Q8
クレアチニン値が急にあがりはじめました。進行を抑えるためのアドバイスを。
- 相談者
- 保存期患者、66歳、男性
- 相談内容
- 40歳の時に腎生検でIgA腎症と診断され、現在、年4回検査(尿・血液)+降圧剤(毎朝) を行っています。
血清のクレアチニン値が、4か月ごとに、1.02→1.06→1.09⇒1.17と急激に上がり始め不安です。血圧は最高130代後半、最低70代半ばです。Crの上昇を抑制するためのアドバイスをお願いします。
週1回位5k程度の歩こう会で汗をかいていますが大丈夫でしょうか?
- 回答
- 確かに腎機能が進行性に低下している可能性あります。何が悪くてかかる事態が生じているのか原因を探るべきです。
特に確認が必要なことは、家庭血圧が適切な値であるかどうか、IgA腎症の疾患活動性が高いのかどうかの2点です。血圧は、ご自身で1日3回測定(繰り返し測定)し、終日、125/75以下ならとりあえず宜しいでしょう。IgA腎症の活動性については検尿/沈査所見や1日蓄尿による尿タンパク量の測定にておおむね判断できます。また、蓄尿検査では、尿タンパク量のみならず、塩分摂取量やタンパク質摂取量も明らかになるので、食事の是正点も明らかになります。以上の上で是正すべき点を改めれば良いと思います。
なお、降圧剤ですが、血管拡張薬を服用されているようですが、腎臓のろ過器(=糸球体)の内圧を減じる性質のある降圧剤に変更した方が、腎機能は長持ちすると思います。変更によって、糸球体内圧減少による腎機能低下が生ずる可能性ありますが、長い目でみれば、この方が腎機能は維持されます。主治医に相談してみてください。
運動については、身体能力や心臓の機能に支障のない限り、通常はこの程度は全く問題になりません。水分摂取を忘れず、体調に応じて無理なく行えばよいでしょう。気の合うお仲間と親しく過ごすことは、楽しいことですし、とても良いリフレッシュになると思います。
Q12
肉体労働のある職種です。仕事を変えた方が良いでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、42歳、男性
- 相談内容
- 初めて尿タンパクや潜血が出てから20年、先日腎生検にてIgA腎症とわかり、ひと月前に扁摘ステロイドパルスをしてただいまステロイド服用中です。パルスを3クールしましたが、尿タンパク、潜血ともに+2で以前と大差ありません。運送業で配送車に乗って一日何十回も乗り降りする肉体労働に従事しており、こまめな水分補給や翌日に疲れを残さないなど腎機能維持を心がけていますが、肉体労働は腎臓に良くないとも聞きます。仕事をかえることで数値が良くなったりすることはありますか?現在の血清クレアチニンは1.35、尿素窒素13.5、総蛋白7.3です。
- 回答
- IgA腎症の治療を受けられたばかりで、今後その経過をおっていく必要があるようです。
蛋白尿が減少したり、消失した方もおられます。しかしながら、腎機能が低下している場合や、蛋白尿が多い場合は効果が得られにくい場合があります。
現在の血清クレアチニンから計算した腎機能(糸球体濾過値)は47.8mlとなります。慢性腎臓病のステージ 3に相当します。
腎臓病の方の運動に関しては、以前から腎機能を悪化させるとの考え方がありましたが、最近はその根拠はあまりないと見直されています。一般的に慢性腎臓病の方でも運動疲労を起こさない程度の運動(運動量の目安:5METs程度)では腎機能の低下は起こさないと考えられています。確かに運動で一過性に蛋白尿が増加したり、一過性に腎血流が下がり糸球体濾過機能を低下させますが、その後腎機能を低下させるという根拠はないようです。運動が肥満や、糖尿病などの生活習慣病が予防できかえって好ましいと考えられるようになりました。しかしながら、運動量にもよりますので中等度の程度の運動までのほうが無難かもしれません。もし強度の運動でしたら、途中で休息を取りながら、持続しての強度の運動は避けられたほうがよろしいかと考えます。
Q14
IgA腎症ですが、今の病状で扁桃腺摘出+パルス療法を行った方が良いでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、45歳、男性
- 相談内容
- 人間ドックでタンパク+1、潜血+2の指摘、再検査でも異常が認められ、大学病院で腎生検、IgA腎症の診断を受け、かかりつけ医で薬物治療中です。現在ステージ3の初期(血清クレアチニン値1.11)と医師から言われていますが、血圧も安定し、直近値では、タンパク+1、潜血-で薬物治療の効果が見られるとの所見です。
IgA腎症には、扁桃腺摘出+パルス療法が効果的という話を聞きますが、私の現在の病状でこの療法を取り入れた方がよいのでしょうか?
- 回答
- IgA腎症は以前は20年で10人の内4人は透析になると言われていました。最近は尿蛋白量と腎生検の所見から進行する可能性があるかどうか判断するようになりました。
1日の尿蛋白量が1gを超える例で腎生検所見が強い場合は進行の可能性があります。このような例はステロイド療法が勧められています。ステロイド療法がおこなわれるようになってから尿所見が消失する例も見られるようになりました。
頂いた検査結果は外来尿で1+のようですが、一日尿蛋白量は外来尿の尿蛋白/クレアチニン比でも予測できます。
IgA腎症の発症に何らかの抗原(腎炎を起こす免疫的な原因物質)が関与していると考えられていますが、その中に細菌があります。慢性の扁桃腺炎にはそのような原因となる原因菌があると考えられています。IgA腎症の方で扁桃腺摘出術をした方で尿所見が消えた方がいます。そのようなことにより扁桃腺摘出術が行われるようになりました。適応は慢性の扁桃腺炎を持っている方が対象になります。先に述べましたステロイド療法にもステロイドを大量に点滴するパルス療法がありますが、扁桃腺摘出術とこのパルス療法を併用したのが扁桃・パルス療法です。パルス療法後もステロイド内服をしばらく継続します。この治療の有効性に関しての報告も最近増えてきているようです。尿所見が軽微な症例や腎生検所見がある程度進んでいる例や腎機能低下が進んでいる例では効果が期待できず適応できない例があります。その適応に関しては腎臓専門医に相談されて決めて頂くのがよろしいかと考えます。大学で腎生検されて治療方針を決定されているようですのでお聞きになられたらいかがでしょうか。
Q18
IgA腎症の夫がアメフトを始めたいと言っていますが
- 相談者
- 保存期患者、47歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 夫についての相談です。10年前にIgA腎症、予後比較的不良群と診断されました。現在、血清クレアチニン(Cr)1.04mg/dL、 BUN14 mg/dL、 TP5.8g/dL、 K4.6mEq/L、 eGFR61.3mL/min、 尿蛋白3+、尿潜血2+という状態が続いており、薬物療法と食事療法を受けています。
この状態で昔やっていたアメリカンフットボールを始めたいと言っているのですが、激しいスポーツのため、賛成出来ずにいます。今の体の状態で、どの程度の運動をしてもいいのか教えて戴きたく相談いたしました。運動好きなので無理するのは目に見えており(筋トレ等)、また血を固まりにくくする薬も飲んでおり、怪我が付き物のスポーツなのでどうしたものか悩んでいます。
- 回答
- IgA腎症は、蛋白尿が持続しますと、10~20年で、20~40%の方々が透析に至るといわれております。ご主人は比較的不良群(糸球体という腎臓の濾過装置の30%未満がつぶれてしまっている状態に相当する腎生検病理組織像を指します)に相当する病理組織とのこと、さらにCr1.04 BUN14 TP5.8 K4.6 eGFR61.3 尿蛋白3+ 尿潜血2+ という状態から考えますと、将来の透析導入の可能性が残念ながら大きいといわざるを得ません。
まだまだ自分は若いと思っても47歳は47歳であり、アメリカンフットボールのような無酸素運動(急に息こらえをして全力疾走)による心肺の負担は大きいでしょう。安静を強いる必要はありませんが、ジョギングなどの有酸素運動にとどめるべきです。また筋トレ等は筋肉量の保持に有効ですが、やり過ぎますと筋肉量の多さが、かえってクレアチニン産生量を増加させ、血清Crを上昇させます。クレアチニンのクレアとは、ラテン語の筋肉の意味であり、筋肉分解産物がクレアチニンに他なりません。
Q20
クレアチニン値0.75で「H」がつきました、一度腎臓の検査を受けたほうがよいでしょうか
- タグ
- 軽度低下
- 相談者
- 保存期患者、66歳、女性
- 相談内容
- 健康診断でクレアチニン値が0.75という数値でHがつきました。
尿たんぱくや糖、潜血は(-)です。体重43㎏・身長150㎝です。スポーツクラブで週に4回汗を流したり泳いだりしています。
腎臓病の検査を受けたほうがいいのでしょうか。今までに病気らしい病気はしていないので薬は飲んでいません。
- 回答
- 腎機能の指標である糸球体濾過率(GFR) を推定いたしますと、約59ml/min/1.73㎡となります。
これは慢性腎臓病を5段階に分けたStage3になり始めたことを示しています。
スポーツクラブへ通うなど、ご健康な様子がうかがわれますが、ほかに高血圧や糖尿病はありませんか?
一度、専門医を受診して、GFRが低下している原因と他に合併する疾患がないか、検査されることをお勧めいたします。
Q21
腎生検を受けるかどうか迷っています
- 相談者
- 保存期患者、37歳、女性
- 相談内容
- 腎生検を受けるかどうか迷っています。
血清クレアチニンの値がこの1年で0.1上がり、0.9mg/dLになったのですが、尿たんぱくが0.3g/日なので、主治医が「生検をするべきか悩むところ」といいます。
蛋白が正常値なので、生検・パルスをしたとしても、腎炎に効果がでるよりも、副作用で苦しくなることになるかもというのです。
どうするか悩みます。
- 回答
- 確かに現在の主治医の先生と同様悩みます。
現在は腎機能が保たれていて、尿蛋白が少ないからです。
腎生検するメリットとしては、1)診断がつく 2)現在の腎炎の状態(進行するかどうかの予測)が分かることがあげられます。逆にデメリットとしては、腎生検による出血やそれによる痛みなど(一時的なもの)でしょうか。
腎生検するかどうかは、個々の年齢やこれからの生活スタイルでも変わってきます。たとえば、今から結婚や妊娠の予定などがあれば、正確な診断、それに対する治療(たとえば、IgA腎症とした場合には扁桃腺を除去する+ステロイド治療など)にて将来の悪化を最小限にすることもできます。おそらく主治医の先生は、診断後のステロイド治療の影響を心配されているのだろうと思います。
腎生検にて診断を確定し、現在の腎炎の状態をみてもらい、その後の治療法については、再度主治医の先生と相談するという選択肢もあるかと思います。
1)腎生検 2)その後の治療法 について 現在のあなたの仕事、おかれている立場、今後の生活スタイルなどを主治医の先生と再度相談されて決められるとよいと思います。
Q24
クレアチニン1.1だが、腎臓専門医にかかったほうがよいでしょうか
- 相談者
- 保存期患者、76歳、男性
- 相談内容
- 血清クレアチン値 1.1mg/dL、 尿蛋白 4+(30 mg/dl)
一日に軽い五千歩のウォーキング、ラジオ体操、ゴルフ週一回
CKD ステージ3
心房細動、徐脈40程度
開業医にかかっているが、腎臓専門医にかかったほうが良いでしょうか。
体重 64キロ、身長169cm
- 回答
- 現時点での腎臓専門医への受診はまだ必要がないと思われます。
内服薬継続と塩分の注意だけでよいと思います。
今後、血清クレアチニンが上昇する場合(1.5近くに)やタンパク尿が増加する場合(100㎎/dl)には腎臓専門医を受診してください。
Q25
尿の潜血反応から、尿たんぱくも出始めました。このままでよいか不安です。
- 相談者
- 保存期患者、51歳、女性
- 相談内容
- 検診を受け始めて3年間尿の潜血反応が3+でしたが、そのまま放置していました。今年蛋白尿が+で腎臓内科に紹介されました。BUN18.0mg/dL、クレアチニン0.82 mg/dL、eGFR57.6mL/min、尿蛋白量0.13g/dayで、高血圧、糖尿病といった原因の分からない腎臓病と言われ、たんぱく質40g以下塩分5~6g以下の食事指導を受けました。原因が分からなくても予後はいいのでしょうか?悪いのでしょうか? 次は3ヶ月後に検査をします。それまで放っておいてもいいのか不安です。
- 回答
- 最初に検尿異常の原因が何によるかで今後の経過が異なりますので、原因の精査が必要です。が、現在診て頂いている先生が、原因がはっきりしないとおっしゃっているようなので、腎臓のエコーとかCTなどの画像診断をお受けになっておられたら異常がなかったと考えられますので、泌尿器科疾患はないと考えて良いと思います。
内科的疾患には糖尿病や膠原病など全身的な病気で腎臓に障害が来ることがありますが、そのような疾患も指摘されていないようですので、高血圧もなくまだ若いので腎硬化症(腎臓の動脈硬化で血尿はあまり出ません)も考えられません。残るのは慢性腎炎を起こしていることが考えられます。その場合、血尿は尿中の赤血球が変形しているのが見られ診断の参考になります。慢性腎炎の確定診断には腎生検が必要です。超音波エコーで見ながらマッチ棒の先くらい腎臓から組織を採取し、それを光学顕微鏡、免疫染色、電子顕微鏡などで診断します。いろいろな病型および程度があり、それに基づいて治療を行います。
頂いた病歴からは検尿異常は血尿だけだったのが蛋白尿も陽性になってきたようです。慢性腎炎と考えますと、血尿だけでは腎機能にはあまり影響しないようですが、蛋白尿が腎臓病の進行に関係していることがわかっています。データでは0.13gですのでまだ進行する状態ではないといえますが、蛋白尿が出てきたことは注意が必要と考えます。腎機能推定糸球体濾過値で57.6mlですので、年齢的には少し低いようですが、下ってきているのか、以前から変わらないのか確認しておいたほうがよろしいかと考えます。
慢性腎炎としますと病型にもより経過は様々です。腎生検の時期については、特に蛋白尿が持続して陽性になってきたら一度は腎生検をお受けになることをお勧めします。原因はともかく、腎機能に合わせた食事療法の指導もお受けになっていますので、腎臓内科医に定期的に受診され必要な検査を定期的にお受けになることをお勧めいたします。
Q26
専門医を受診したほうがよいでしょうか
- 相談者
- 保存期患者、41歳、男性
- 相談内容
- クレアチニン:0.81mg/dl 現在、治療は受けていません。
先日、血液検査で、6,7年前より指摘されている尿酸値が9.1mg/dlと高く、内科の医師から腎臓などにも影響するので治療を勧められました。尿が白く濁る症状もあり、気になっています。受診したほうがよいでしょうか? 受診するとすればどの科を受診すればよいですか?
- 回答
- 年齢、性別、クレアチニンの値より eGFR値=84.1 です。
CKDのStage2と考えられます。腎機能が少し低下していますが、今すぐ問題ありません、という状態です。
ただし、尿酸値の高い値は、将来痛風を発症する可能性があります。
最近では、高尿酸血症は腎機能を悪くしたり、痛風腎を合併することもあり、また動脈硬化を進展することもあります。尿酸高値は、食生活の改善や薬剤での治療をした方がよいでしょう。
主治医の先生のお勧めに従い、早目に腎臓内科を受診なさるのが良いと思います。
数値的には問題ないという段階でも、尿の白濁などの症状があれば、早目に受診されることは大切です。問題なしとの結果でも、今一度ご自身の日常生活を見直し、規則正しい生活やバランスの良い食事をこころがけてくださいますように。
Q29
運動を続けてもよいでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、43歳、男性
- 相談内容
- 血清クレアチニン 1.27で尿蛋白は-です。尿酸値が一月前に8.7でしたが薬を飲んで、現在7.5になっています。血圧がやや高めなので医師からは塩分摂取を一日6g以下にすることと、酒をビールで500mlまでにすることを言われています。たんぱく質の制限は今のところ言われていませんが、摂りすぎないようにといわれています。運動についてはどのような見解があるのでしょうか?
今は週一回テニスと、フルコンタクトの空手をしています。また、補強運動などもしています。これらの運動によるの腎機能へのリスクはどのように評価されているのでしょうか? 長時間でないですが多分10-15分くらいは「はあはあ」言うようなトレーニングをしています。当然筋肉痛にもなります。また、eGFRは標準体型に基づいて算出されるようですが筋肉量の補正などはどのように見積もればよいでしょうか。180cm、80kgです。
- 回答
- 頂いたデータ―からは血清クレアチニンが1.27㎎/dlですので推定糸球体濾過値は50.3ml/min/ 1.72m2となり、したがって慢性腎臓病のステージ3(G3a)に相当します。蛋白尿は陰性とのことですが、他に画像診断などでの異常はなかったのでしょうか。運動をなさっておられ、筋肉質の体格の方のようですが、推定糸球体濾過の計算式には筋肉量の補正は考慮されていません。
クレアチニンは筋肉の代謝産物ですので運動によって上昇し、筋肉量が多いと上昇し、推定糸球体濾過値は過少評価される可能性があります。計算式は体表面積1.73㎜2で計算されていますので、筋肉質の体格がいい人は実際の体表面積の補正が必要かもしれません。
慢性腎臓病の人の運動は、これまで制限をされることが多かったようです。運動によって血液が筋肉や心臓などに供給されるために一過性の糸球体濾過の低下を招きますが、運動中止後は速やかに回復すると考えられています。最近では、長期的運動は血圧、肥満、糖・脂質代謝の改善をもたらすことにより腎機能を保持すると考えられています。ただし、運動に問題がないとする報告の多くは中等度の運動強度に関してしてであり、強度の運動に関するエビデンスはありません。
したがって、現在行っておられる適当な有酸素運動に関しては問題ないと考えられます。しかしながら、定期的な腎機能検査を受けながら継続されることがよいでしょう。
Q12
腎臓に良い食品やサプリはありますか?
- 相談者
- 保存期患者、43歳、男性
- 相談内容
- 1年半前に慢性糸球体腎炎 IgA腎症と診断をうけました。現在、2~3ヶ月に1回の通院で尿・血液検査をするのみで、服用している薬はなく経過観察中です。尿蛋白が陽性、尿潜血が陽性~2陽性、クレアチニンは0.77、eGFR(腎機能)は88.3です。食事は特に規制されておりませんが、タンパク質を多少控え減塩を心がけるようにしています。慢性糸球体腎炎 IgA腎症患者は、どのような点を気をつけたらよいのでしょうか?また積極的にとったほうが良い食品やサプリメントなどはありますか?また逆に避けたほうが良い食品はありますか?どうぞ宜しくお願い致します。
- 回答
-
最初に、文面から拝察する限り、現在のように無治療で定期的に臨床検査を行なって追跡するのが、おそらく最良の方針で、我が国の大部分の腎臓専門医が同じように診療するものと思われます。
IgA腎症と診断されたのであれば、腎生検をお受けになったことでしょう。腎生検の結果、腎組織の変化が軽度で、また文面にはありませんでしたが、血圧が良好(腎臓内科的には120台/70台までを指す)であれば、上述のように現在の方針が妥当でしょう。(ただしもし、腎生検上の組織変化が軽くないとか、血圧が上記以上である場合には、状況が変わって参ります。)
生活上の注意点ですが、生活習慣などの中で、腎臓病によくないことがわかっているものはいろいろあります。具体的には、喫煙、過度の飲酒(日本酒およそ2.5合以上)、運動不足、肥満やメタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などは、腎臓病一般に対してよくないことがわかっています。まとめて言えば、当たり前のようですが、「体によくないことは、腎臓にも悪い」と言って良さそうです。
現状(尿蛋白が少なめで腎機能は正常、おそらく血圧正常)では特別にお勧めできる食事療法は無いものと思われ、現在実施されている「蛋白と塩分少なめ」はとても妥当なものと考えます。腎臓病の食事療法は、他のいろいろな病気に対する食事療法と同じく、「○○を食べていればよい」とか「××を食べなければよい」というような特定の食品はありません。バランスよく、太りすぎ・やせすぎを避けて、と言うくらいでしょうか。
また腎臓病、または慢性糸球体腎炎に有効であると証明されたサプリメントは、私の知る限りありません。