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「運動」に関する検索結果
Q4
日課のウォーキングを続けても大丈夫でしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、78歳、男性
- 相談内容
- 4年ほど前から食事療法と薬物療法を続けています。また運動も行い、体重やBMIも改善しています。しかし、2ヶ月程前から浮腫がひどくなってきました。この状態でも日課のウオーキング(1日8km、1時間20分)を続けても大丈夫でしょうか。
- 回答
- 日本腎臓学会では腎機能に合わせた生活指導区分を提示しています。あなたのデータから、現在の推定糸球体ろ過値は14.07ml/分となり、慢性腎臓病のステージ5に相当します。日本腎臓学会の指針では、運動制限は中等度〜高度制限になると考えられます。これにあてはめると、1時間20分は長すぎるので、30分程度をおすすめします。長時間の歩行で静脈環流が関係して、下肢の浮腫を助長している可能性もあります。
Q5
自転車やゴルフは大丈夫?
- 相談者
- 保存期患者、49歳、男性
- 相談内容
- 多発性のう胞腎からの腎不全状態と診断されています。クレアチニンが3.35です。自覚症状はあまりないのですが、時々貧血のような症状があらわれたり、体がだるくなることはあります。ときどき自転車に乗ったり、ゴルフをしていますが、腎臓によくないのでしょうか。
- 回答
- 慢性腎臓病はどのステージにおいても、過労(翌朝の起床時に疲労感が残るような程度)は避け、十分な休養が必要とされています。しかし、だからといって極端な運動制限を必要とはしません。必要以上に安静臥床を強いれば、筋肉量が減少し、栄養不良の状態になってしまいます。あなたのデータから、推定糸球体ろ過値は16.9ml/分程度と推定され、慢性腎臓病のステージ4に相当します。ステージ4の場合には、日本腎臓学会の指針によると、食事療法、血圧管理がきちんとなされ、体の状態(貧血、血糖、脂質、骨・ミネラル関係など)が良好であれば、過度な運動制限は必要なく、適度な運動(過労にならない程度の運動)はむしろ身体的にはプラスの効果があります。ただし、高度のタンパク尿・浮腫(ネフローゼ症候群)、肉眼的血尿が存在する場合には安静が必要となり、過度な運動は逆効果となります。
あなたの場合は、とくに問題となる数値や症状は出ていないようなので、過労と感じない程度の運動は続けてもかまわないと思います。その際、運動の前後に尿検査を受けて、タンパク尿、潜血の変化を見てもらうと参考になると思います。しかし、貧血や極端に体がだるくなる場合は体からの警告と受け止め、運動を休んで安静にして下さい。それでも疲労感が消えない場合には、「過労」ということなので、それ以上の運動は避けて下さい。
Q6
1時間の速歩は、腎臓病で控えるべき「激しい運動」にあたりますか?
- 相談者
- 保存期患者、68歳、男性
- 相談内容
- 健康診断でGFRが51であることが分かりました。腎臓病では激しい運動は控えるようにとのことですが、1時間の速歩はそれに当たるでしょうか。 今まで1週間に平均4日位やってきました。止める方が良いのでしょうか。 また、治療を受けるべきでしょうか。クレアチニン値は1前後、BUN20~24、尿たんぱくは陰性血圧はおよそ110/68程度です。
- 回答
- この経過からは糖尿病性腎症は考えにくく、腎機能の低下は加齢の影響、あるいは腎硬化症でしょうか?あと筋肉質の男性の方などではCrは高めに出ることもあります。
原則糖尿病などの患者さんで、蛋白尿が出ている場合のGFR51(CKDでステージ3)であれば、日常生活や普通の仕事は問題ありません。
この患者さんのように、加齢の影響、あるいは蛋白尿も見られない患者さんであれば、日常生活に制限をつける必要はありません。当然暴飲暴食、さらに過激な運動は控えるべきですが、日常の散歩や日常業務、1時間程度の散歩は問題ないと思います。無理のない範囲での運動であれば問題はないと考えます。
ただし原因疾患などを含めて、一度、腎臓内科の先生にも相談されることは必要だと思います。減塩につとめ、夜ふかし、暴飲暴食などは謹んでください。
Q8
クレアチニン値が急にあがりはじめました。進行を抑えるためのアドバイスを。
- 相談者
- 保存期患者、66歳、男性
- 相談内容
- 40歳の時に腎生検でIgA腎症と診断され、現在、年4回検査(尿・血液)+降圧剤(毎朝) を行っています。
血清のクレアチニン値が、4か月ごとに、1.02→1.06→1.09⇒1.17と急激に上がり始め不安です。血圧は最高130代後半、最低70代半ばです。Crの上昇を抑制するためのアドバイスをお願いします。
週1回位5k程度の歩こう会で汗をかいていますが大丈夫でしょうか?
- 回答
- 確かに腎機能が進行性に低下している可能性あります。何が悪くてかかる事態が生じているのか原因を探るべきです。
特に確認が必要なことは、家庭血圧が適切な値であるかどうか、IgA腎症の疾患活動性が高いのかどうかの2点です。血圧は、ご自身で1日3回測定(繰り返し測定)し、終日、125/75以下ならとりあえず宜しいでしょう。IgA腎症の活動性については検尿/沈査所見や1日蓄尿による尿タンパク量の測定にておおむね判断できます。また、蓄尿検査では、尿タンパク量のみならず、塩分摂取量やタンパク質摂取量も明らかになるので、食事の是正点も明らかになります。以上の上で是正すべき点を改めれば良いと思います。
なお、降圧剤ですが、血管拡張薬を服用されているようですが、腎臓のろ過器(=糸球体)の内圧を減じる性質のある降圧剤に変更した方が、腎機能は長持ちすると思います。変更によって、糸球体内圧減少による腎機能低下が生ずる可能性ありますが、長い目でみれば、この方が腎機能は維持されます。主治医に相談してみてください。
運動については、身体能力や心臓の機能に支障のない限り、通常はこの程度は全く問題になりません。水分摂取を忘れず、体調に応じて無理なく行えばよいでしょう。気の合うお仲間と親しく過ごすことは、楽しいことですし、とても良いリフレッシュになると思います。
Q9
腎臓病の母の運動不足が心配です。
- 相談者
- 保存期患者、73歳、女性
- 相談内容
- 母についての相談です。クレアチニン値3.56で薬と食事療法を行っています。
寒い、疲れると言って殆ど外出せず、運動不足が心配です。外出すると足がむくむといい、ますます家に引きこもってしまいます。
寒さを人一倍感じるのは、腎臓病のせいでしょうか?食事療法のせいでしょうか?(蛋白摂取量が約20g/日)また、足がむくむのは腎機能が低下しているためでしょうか?
運動不足にどのように対処すれば良いのか、アドバイスをお願いします。
- 回答
- ご質問にお答えする前に患者さんの腎機能について説明させてください。
多くの薬剤(主として降圧薬)を服用し、厳格な食事療法(蛋白制限)をされていて、現在のクレアチニンが3.56mg/dLということですので、73歳の日本女性の腎機能としては推算GFR(糸球体濾過量)が9.5mL/min/1.73m2程度となります。推算GFRは、15mL/min/1.73m2未満で治療によっても腎不全症状が改善されなければ透析導入を考慮し、6mL/min/1.73m2未満となれば症状がなくても透析導入が推奨されています。
すなわち、この患者さんの慢性腎不全は、近い将来に透析導入の準備が必要であるとともに、腎不全に伴う合併症を伴いやすくなっている状態と考えられます。透析導入前の腎不全(保存期腎不全)の時期に起こる合併症には、腎性貧血、心不全、甲状腺機能低下症など多くの疾患があります。貧血は動悸、息切れ、全身倦怠感、頭痛、狭心症などの症状がみられ、心不全でも動悸、息切れ、呼吸困難、浮腫などが認められ、いずれの場合も身体活動や日常生活が制限されます。また、甲状腺機能低下症では、無気力、易疲労感、寒がり、動作緩慢、体重増加、便秘、浮腫、高コレステロール血症などの症状が出現します。そして、保存期腎不全期にはこれらの合併症が同時に認められることもあります。
体重、血圧、貧血の程度、糖尿病の有無など詳細なことはわかりませんので断言はできませんが、この患者さんは、運動不足というよりも運動しにくい病状であるように推察いたします。
慢性腎不全、腎性貧血、心機能、甲状腺機能検査など総合的評価が必要ですので、必ず主治医の先生に相談してください。
Q12
肉体労働のある職種です。仕事を変えた方が良いでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、42歳、男性
- 相談内容
- 初めて尿タンパクや潜血が出てから20年、先日腎生検にてIgA腎症とわかり、ひと月前に扁摘ステロイドパルスをしてただいまステロイド服用中です。パルスを3クールしましたが、尿タンパク、潜血ともに+2で以前と大差ありません。運送業で配送車に乗って一日何十回も乗り降りする肉体労働に従事しており、こまめな水分補給や翌日に疲れを残さないなど腎機能維持を心がけていますが、肉体労働は腎臓に良くないとも聞きます。仕事をかえることで数値が良くなったりすることはありますか?現在の血清クレアチニンは1.35、尿素窒素13.5、総蛋白7.3です。
- 回答
- IgA腎症の治療を受けられたばかりで、今後その経過をおっていく必要があるようです。
蛋白尿が減少したり、消失した方もおられます。しかしながら、腎機能が低下している場合や、蛋白尿が多い場合は効果が得られにくい場合があります。
現在の血清クレアチニンから計算した腎機能(糸球体濾過値)は47.8mlとなります。慢性腎臓病のステージ 3に相当します。
腎臓病の方の運動に関しては、以前から腎機能を悪化させるとの考え方がありましたが、最近はその根拠はあまりないと見直されています。一般的に慢性腎臓病の方でも運動疲労を起こさない程度の運動(運動量の目安:5METs程度)では腎機能の低下は起こさないと考えられています。確かに運動で一過性に蛋白尿が増加したり、一過性に腎血流が下がり糸球体濾過機能を低下させますが、その後腎機能を低下させるという根拠はないようです。運動が肥満や、糖尿病などの生活習慣病が予防できかえって好ましいと考えられるようになりました。しかしながら、運動量にもよりますので中等度の程度の運動までのほうが無難かもしれません。もし強度の運動でしたら、途中で休息を取りながら、持続しての強度の運動は避けられたほうがよろしいかと考えます。
Q18
IgA腎症の夫がアメフトを始めたいと言っていますが
- 相談者
- 保存期患者、47歳、男性(相談者:患者家族)
- 相談内容
- 夫についての相談です。10年前にIgA腎症、予後比較的不良群と診断されました。現在、血清クレアチニン(Cr)1.04mg/dL、 BUN14 mg/dL、 TP5.8g/dL、 K4.6mEq/L、 eGFR61.3mL/min、 尿蛋白3+、尿潜血2+という状態が続いており、薬物療法と食事療法を受けています。
この状態で昔やっていたアメリカンフットボールを始めたいと言っているのですが、激しいスポーツのため、賛成出来ずにいます。今の体の状態で、どの程度の運動をしてもいいのか教えて戴きたく相談いたしました。運動好きなので無理するのは目に見えており(筋トレ等)、また血を固まりにくくする薬も飲んでおり、怪我が付き物のスポーツなのでどうしたものか悩んでいます。
- 回答
- IgA腎症は、蛋白尿が持続しますと、10~20年で、20~40%の方々が透析に至るといわれております。ご主人は比較的不良群(糸球体という腎臓の濾過装置の30%未満がつぶれてしまっている状態に相当する腎生検病理組織像を指します)に相当する病理組織とのこと、さらにCr1.04 BUN14 TP5.8 K4.6 eGFR61.3 尿蛋白3+ 尿潜血2+ という状態から考えますと、将来の透析導入の可能性が残念ながら大きいといわざるを得ません。
まだまだ自分は若いと思っても47歳は47歳であり、アメリカンフットボールのような無酸素運動(急に息こらえをして全力疾走)による心肺の負担は大きいでしょう。安静を強いる必要はありませんが、ジョギングなどの有酸素運動にとどめるべきです。また筋トレ等は筋肉量の保持に有効ですが、やり過ぎますと筋肉量の多さが、かえってクレアチニン産生量を増加させ、血清Crを上昇させます。クレアチニンのクレアとは、ラテン語の筋肉の意味であり、筋肉分解産物がクレアチニンに他なりません。
Q29
運動を続けてもよいでしょうか?
- 相談者
- 保存期患者、43歳、男性
- 相談内容
- 血清クレアチニン 1.27で尿蛋白は-です。尿酸値が一月前に8.7でしたが薬を飲んで、現在7.5になっています。血圧がやや高めなので医師からは塩分摂取を一日6g以下にすることと、酒をビールで500mlまでにすることを言われています。たんぱく質の制限は今のところ言われていませんが、摂りすぎないようにといわれています。運動についてはどのような見解があるのでしょうか?
今は週一回テニスと、フルコンタクトの空手をしています。また、補強運動などもしています。これらの運動によるの腎機能へのリスクはどのように評価されているのでしょうか? 長時間でないですが多分10-15分くらいは「はあはあ」言うようなトレーニングをしています。当然筋肉痛にもなります。また、eGFRは標準体型に基づいて算出されるようですが筋肉量の補正などはどのように見積もればよいでしょうか。180cm、80kgです。
- 回答
- 頂いたデータ―からは血清クレアチニンが1.27㎎/dlですので推定糸球体濾過値は50.3ml/min/ 1.72m2となり、したがって慢性腎臓病のステージ3(G3a)に相当します。蛋白尿は陰性とのことですが、他に画像診断などでの異常はなかったのでしょうか。運動をなさっておられ、筋肉質の体格の方のようですが、推定糸球体濾過の計算式には筋肉量の補正は考慮されていません。
クレアチニンは筋肉の代謝産物ですので運動によって上昇し、筋肉量が多いと上昇し、推定糸球体濾過値は過少評価される可能性があります。計算式は体表面積1.73㎜2で計算されていますので、筋肉質の体格がいい人は実際の体表面積の補正が必要かもしれません。
慢性腎臓病の人の運動は、これまで制限をされることが多かったようです。運動によって血液が筋肉や心臓などに供給されるために一過性の糸球体濾過の低下を招きますが、運動中止後は速やかに回復すると考えられています。最近では、長期的運動は血圧、肥満、糖・脂質代謝の改善をもたらすことにより腎機能を保持すると考えられています。ただし、運動に問題がないとする報告の多くは中等度の運動強度に関してしてであり、強度の運動に関するエビデンスはありません。
したがって、現在行っておられる適当な有酸素運動に関しては問題ないと考えられます。しかしながら、定期的な腎機能検査を受けながら継続されることがよいでしょう。